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2024.02.29
知財ニュース
パナソニック、雨や霧などを画像から除去し屋外での画像認識精度を上げる「悪天候除去AI」を共同開発
パナソニック ホールディングスは、カリフォルニア大学 バークレー校、南京大学、北京大学の研究者らと共同で、雨や雪、霧などの悪天候下でも画像認識精度を向上させる「悪天候除去AI」を開発した。
同技術は、多重悪天候画像に対する画像認識およびセグメンテーションタスクにおいて、パラメータを72%以上、推論時間を39%節約しながら、従来法より認識精度を上げられる画像復元性能が示されたという。
同技術は、AI・機械学習技術のトップカンファレンスである「The 38th Annual AAAI Conference on Artificial Intelligence(AAAI 2024)」に採択され、2024年2月22日から2024年2月25日にカナダ・バンクーバーで開催される本会議で発表された。
屋外で利用される画像認識AIの応用が進む一方、屋外で取得される画像は悪天候下では認識精度が著しく低下することが課題視されてきた。そこで最近では、雨、雪、霧などを画像から除去する「悪天候除去(Weather Removal)」と呼ばれるタスクが注目を集めているものの、計算量の多さがネックとなり実用的なモデルは存在していなかった。
同研究チームでは、異なる天候のパラメータを線形変換の重みで表現することで、従来の1/3という少ないパラメータ数で画像から天候の影響を高精度に除去し、複数種類の天候とタスクに対応できる技術を開発。
モビリティやインフラ分野など、屋外でもロバストな画像認識が求められる場面や、車載センサにおける危険検知やセキュリティカメラなど全天候で高精度な画像認識が必要とされる場面など、さまざまなシーンでの活用が期待されている。
同社では、「今後も、AI技術の社会実装を加速し、お客様のくらしやしごとの現場へのお役立ちに貢献するAI技術の研究・開発を推進していきたい」としている。
Top Image : ©パナソニック ホールディングス 株式会社