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2024.12.11
知財ニュース
ソニーのAIカメラとNEC技術で共同開発、高精度顔認証システムを実現へ―なりすまし対策も
ソニーグループのソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(SSS)とNECが、両者の技術を組み合わせた高精度な顔認証システムを共同開発することを発表した。
業界をリードするSSSのイメージセンサーによるエッジAIセンシング技術と、NECが持つ世界最先端の顔認証技術を組み合わせることで、幅広いシーンに最適化可能で、かつプライバシーに配慮した顔認証ソリューションを目指していく。
両社は既に物流分野で協力関係にあり、SSSの画像処理技術とNECの物流・製造向けの各種ソリューションで物流の課題解決に取り組んできた。今回の共同開発は、このパートナーシップをさらに強化する新たな一歩となる。
同ソリューションで使用するAIカメラは、SSSのAIカメラ「AITRIOS™(アイトリオス)」をプラットフォームに、今回NECが新たに開発した、光環境の変化に強いAIモデルと連携。
逆光などの難しい条件でも正確に顔を認識できるのが特長。SSSのAI技術を搭載したカメラがリアルタイムで画質を調整し、カメラ内で顔の特徴情報を抽出。情報をクラウド上のNECの顔認証システム「Bio-IDiom Services」に送信して認証を行う。
カメラで処理を行うため、クラウドへの負担が少なく、高速な認証が可能。顔画像はクラウドに送らずカメラ内で特徴情報に変換するため、個人情報漏洩のリスクを軽減できる。また、なりすまし対策機能も搭載し、高いセキュリティを実現するという。
導入も簡単で、現場でのカメラ設定や調整の手間を省き、低コストで運用できる。オフィスや倉庫の出入管理だけでなく、小売店や公共交通機関など、幅広い分野での活用が期待される。
共同開発は、2025年度中の販売開始を目指して進められる予定。両社はそれぞれの技術力を活かし、社会課題の解決とデジタル化の推進に貢献していく。
Top Image : © ソニーグループ 株式会社