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2024.09.20
知財ニュース
MicrosoftやMetaも活用、オープン地図データのGA版が提供開始―23億の建物データを収録
オープンデータの地図を作製する非営利財団Overture Maps Foundationは、Open Mapsデータセットの一般提供(GA版)を開始したと発表した。Meta、Microsoft、TomTom などの企業は、すでにOvertureデータセットをサービスや製品に組み込んでいる。
Overture Maps Foundationは、Amazon、Meta、Microsoft、tomtomをメンバーに、2022年に設立された団体だ。Overture Maps FoundationのMarc Prioleau氏(エグゼクティブ ディレクター)によると、このGAリリースのデータは、すでに地域検索、保険、地図作成業界でのユースケースに利用されているとのこと。今後数か月で、自動車からライドシェアリングなど、さまざまな業界でさらに多くのユースケースが生まれると予想しているのだという。
Overture運営委員会の議長Jan Erik Solem氏(Metaのマップ担当ディレクター)は、「このGAリリースはほんの始まりに過ぎない」と述べ、次世代のマップ製品は、幅広い商品やサービスを可能にし、Overtureは、そのイノベーションの基盤となるオープンマップデータの開発の最先端にいるとしている。
GAリリースには「建物」、「興味のある場所」、「部門」、「ベース」の4つのテーマが含まれている。
「建物」は、世界中の23億の建物のフットプリントが含まれている。これはすでに、地理サービスであるMicrosoftのBing Maps、EsriのArcGIS Living Atlas of the Worldや、個々の建物の洪水レベルのリスクメトリックを保険会社に提供する保険サービスプラットフォーム「Addresscloud」 で使用されている。資産管理、その他のリスク評価、経済開発、3D視覚化など、さらに多くのユースケースが検討されているとのこと。
「興味のある場所」では、世界中の約5,400万の場所に関するデータを提供し、新しいデータが追加されるにつれて拡張される。ユーザーは、場所の上にソーシャル シグナルなどを重ねて独自のサービスの提供が可能だ。
「部門」は、国と地域の行政境界が40を超える言語に翻訳されている。そして、「ベース」では、コンテキストレイヤーに土地と水のデータが含まれており、必要に応じてマップの表示の完成に役立つとしている。
また、リリースと同時に、14カ国(2億件を超える住所)を含む新しい住所テーマのアルファリリースも行った。さらに、ベータ版の交通テーマは、数か月以内にGA版に移行する予定とのことだ。
Top Image : © Overture Maps Foundation