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2025.07.11
知財ニュース
TOPPAN、生成AI活用の「デジタル分身サービス」を開始―本人そっくりのAIモデルと対話

TOPPAN株式会社は、生成AIを活用して人物の見た目や声だけでなく、その人の知識や経験までを再現する「デジタル分身サービス」を開始した。同サービスは、企業のマーケティング活動や知識継承のあり方を大きく変えるものとして注目を集めている。
「デジタル分身サービス」は、TOPPANが持つ高度な表現技術と独自の音声再現AIモデルを駆使して、本人の姿や声、表情をリアルに再現するもの。最大の特長は、人物に関する膨大なテキストや画像、映像データをAIに学習させることで、思考や知識、話し方の癖までも反映し、まるで本人と直接会話しているかのような自然な対話を実現する点だ。
少子高齢化による知識や経験の継承や、デジタル時代における効果的なコミュニケーションが課題となる中、同サービスは新たな解決策を提示する。例えば、企業の創始者や経営者の理念を語るデジタル分身が新入社員を教育したり、トップセールスのノウハウを持つ分身が営業商談・顧客コンタクトを行ったりすることが可能になるという。
さらに、多言語対応により、本人が話せない言語でも世界中にメッセージを発信できるため、グローバルなブランディングやファンとの交流にも活用が期待されている。
TOPPANは今後、同サービスと関連事業を推進し、2027年度末までに10億円規模の売上を目指していく。また、デジタル分身に用いられているデータの信頼性を担保する技術との連携も視野に入れており、誰もが安心して活用できる未来のコミュニケーションインフラを構築していく考えだ。
Top Image : © TOPPAN ホールディングス 株式会社