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2022.02.06

知財ニュース

世界初、小型観光船の無人運航に成功―国内の船員不足の解消へ期待

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日本財団は、2022年1月11日、世界初となる小型観光船の無人運航による実証実験を横須賀市猿島にて行い、航行に成功した。日本財団は無人運航船の開発実証プロジェクト「MEGURI2040」を推進しており、本技術が小型船へ広く普及することで、離島住民の生活を支える小型船舶としての利用や、船員の半数以上が50代以上である国内の高齢社会における船員不足の解消が期待される。

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また、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界的に高いレベルを持つ技術を活かすことができる「未来の産業」として研究・開発が進められている。

日本財団が推進する「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアム(複数の民間企業体)と共同で、無人運航船の開発に取り組んできた。開発を進めてきたさまざまな船種の無人運航船は、2022年1月から3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行うという。

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実証実験は、新三笠桟橋から猿島まで約1.7kmの距離を離着桟含め、無人運航で実施した。小型船を検出するためのカメラ3台や、GNSS、AISなど設置したセンサー情報から他船等を検出する障害物検知システムが、他船情報を自律操船システムに送り、自動で他船を避航した。また、有人でも操船が困難とされる離桟や着桟時には自律操船システムにより、操舵室でのスロットルが自動で小刻みに動き、無人での操船を実現した。

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現在、日本国内には旅客船が約2000隻あり、離島との交通手段などとして利用されているが、国内旅客船の船員は2000年以降、約1万人から約7000人と、20年間で3割減少し、船員不足と船員の負担増加が課題となっている。今回の技術開発と実証実験の成功により、無人運航技術の小型船への転用が可能となり、将来的には船員不足の解消が期待されるという。

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Top Image : © 日本財団

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