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2022.03.19

知財ニュース

ウミトロン、ENEOSとの資本業務提携を実施―ブルーカーボン事業の共同研究を始動、脱炭素社会を目指す

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ウミトロンは、ENEOSホールディングス株式会社との資本業務提携を開始したと発表した。ENEOSは100%子会社であるENEOSイノベーションパートナー合同会社を通じて資本参画する。

今回の資本業務提携により、ウミトロンは新たに水産養殖分野としてブルーカーボン事業の共同研究を開始する。これまでウミトロンが魚介類の養殖向けに活用してきたAI、IoT、衛星リモートセンシングといったテクノロジーやデータを応用し、ブルーカーボン生態系と呼ばれる海藻や海草養殖向け技術の研究開発に取り組むという。

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植物などの陸上生物の作用により隔離・貯留される炭素のことをグリーンカーボンと呼ぶのに対し、ブルーカーボンとは、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれ、隔離・貯留される炭素のことだ。2009年に国連環境計画が報告書にて、「ブルーカーボンにより年間およそ5,000万トンのCO2を吸収、隔離できる」と発表し注目を集めている。

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「ブルーカーボン生態系」は、光合成を行う海草藻場、海藻藻場などが該当する。藻類・海草などの養殖は世界の養殖生産量の約半分を占めるなど非常に盛んに行われており、海藻養殖における炭素固定の効果も、グリーンカーボン生態系と比較して、最大40倍の速さで炭素を貯蔵するという報告もあり(Duarte, et al., 2005)、注目されている。

今後、ウミトロンは水産養殖という特殊環境下で蓄積してきた水中・水面での解析技術、海上でのデバイスの安定稼働、海洋でのリモートセンシングの活用ノウハウなどの事業基盤を活用し、水産養殖分野におけるブルーカーボン事業への技術応用利用に関してENEOS社と共同研究を行なっていくとのこと。

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また、衛星データを活用した水産養殖向け海洋モニタリングサービス「UMITRON PULSE」の長期データで活用することで、ブルーカーボン生態系の一つである海藻類の生育適正域の算出にも利用することができるとしている。

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Top Image : © ウミトロン 株式会社

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