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2021.06.25
知財ニュース
ソニー、竹・さとうきび・リサイクルペーパーを原料としたサステナブルな紙素材を開発─商品パッケージとして活用
ソニーグループ株式会社は、産地を特定した竹・さとうきびと、市場回収したリサイクルペーパーを原料とした、プラスチック不使用のサステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」の開発を発表した。
竹は、さとうきびと同様に短期間で成長する植物。必要な分を選定して伐採し、竹山全体を持続可能な育成サイクルにすることで、自然への影響を軽減。オリジナルブレンドマテリアルに採用する竹は、中国・貴州の3つの山で栽培しているものに限定し、山に生息するパンダの餌となる竹とは異なる種類の竹を使用している。
さとうきびは、砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使用。通常さとうきびの搾りかすの多くは、発電燃料として燃やされ、二酸化炭素排出の原因となるが、オリジナルブレンドマテリアルに採用することで、リサイクル可能な循環型資源として活用できる。タイ・ナコーンサワン半径100km圏内の畑で栽培されたさとうきびの搾りかすに限定して使用する。
上記のように産地を特定した竹・さとうきびと、パッケージの生産地で市場回収したリサイクルペーパーを組み合わせることで、強度をもたせることに成功。着色はせずにリサイクルペーパーの素材を生かし、ユニークな風合いを提供する。
エンボス加工も可能で、インクを使わずに文字を入れるなど、一層の環境配慮もされているのが特徴だ。6月25日発売の完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」のパッケージでは、全体にオリジナルブレンドマテリアルが採用され、分別することなくリサイクルに出せる仕様になっている。
ソニーは、環境中期目標Green Management 2025にて、「新たに設計する小型製品のプラスチック包装材全廃」を目標としている。イヤホンを始め、ソニーの今後の商品パッケージの変革に注目していきたい。
Top Image : ©ソニー