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2021.06.22
知財ニュース
科学とアートの可能性を提供する水中公園「The ReefLine(リーフライン)」─2021年12月マイアミビーチにオープン予定
「The ReefLine(リーフライン)」とは、シュノーケリング&ダイビング用のコース、人工サンゴ礁、そして国際的に活躍するアーティストやデザイナーによる環境に配慮したアート作品を備える水中公園。BlueLab保存協会の議長であるXimena Caminos氏が、2021年12月にマイアミビーチにてオープン予定であることを発表した。
プロジェクトを主導するXimena Caminos氏と、建築会社OMAのパートナーである重松象平氏は、海洋生物学者、研究者、建築家、沿岸技術者を含む専門家チームと協力して、今年の晩夏から建設を開始するとのこと。
リーフラインは7つの段階を経て完成する設計となっており、記念すべき第1弾の展示は、アルゼンチンのコンセプチュアル・アーティストLeandro Erlich氏と重松氏の共同制作による2つの常設作品となる。
Concrete Coral(コンクリート製サンゴ)
1つ目の作品は、地球を危険にさらす気候変動排出ガスの象徴である、自動車やトラックを模した彫刻「Concrete Coral(コンクリート製サンゴ)」。
水中でも劣化しないようコンクリートで作られたこれらの彫刻は、時間の経過と共に生命によって植民地化され、自然環境と融合する設計となっている。
近年、地球温暖化の影響で絶滅の危機に瀕するサンゴ礁。そんなサンゴ礁に住む生物に、人工車が新たな住処を提供することで、人間が作った有害な乗り物を“環境変化の新しい手段”として捉え直すことを目指している。
水中螺旋階段
2つ目は、環状に形成されるサンゴ礁から着想を得た「水中螺旋階段」。
こちらは、熱帯魚やサンゴの幼生が育つ層状部分と、来場者が探索できるスペース部分に分かれており、生物の多様性を促進することで、沿岸の回復力を高めることが期待されている。自身が訪れることで、海洋環境に良い影響を与えるこの仕組みは、思わず足を運びたくなるだろう。
このように、The ReefLineは街の芸術文化を拡大するアトラクションとしてだけでなく、水生生物を保護するよう設計された環境プログラムとしても機能する。今後は作品自体を波から保護するモジュールなども追加され、最終的には全長約14.5kmの水中ギャラリーを楽しめるようになる予定だ。