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2023.10.05
知財ニュース
米スタートアップが太陽光と水をエネルギー源とする推進システム「Omnivore」を開発─宇宙物流の効率化に期待
米カリフォルニア州のスタートアップTransAstraが開発した推進システム「Omnivore」が注目を集めている。
「Omnivore」は、水や任意の液体を推進剤として使用できる革新的な技術。集光した太陽光をエネルギー源とし、同社の軌道間輸送機「Worker Bee OTV」をはじめ、宇宙における資源探査や物流の効率化への貢献が期待される。
「Omnivore」は電気推進よりも速く、安く、実用的なのが特徴。また、従来の化学推進システムに比べても大幅に安価かつ安全で、運用の柔軟性が高い。
TransAstraは、2016年に設立されたスタートアップ企業。急速に拡大する宇宙経済の原動力となる技術を開発し、宇宙産業の多面的な進化をリードする。
また、同社では、既存の技術では発見できない資源豊富な小惑星や、地球と月の間にある軌道上のデブリを特定できる宇宙望遠鏡「サター」も開発。衝突リスクのある高速移動天体の特定により国防に大きく貢献するほか、従来の望遠鏡よりコスト効率を30万倍も向上できることが期待されている。
宇宙でのセンス・メイキングに革命をもたらしうる同社の取り組みに刮目したい。
Top Image : © TransAstra