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2021.12.24
知財ニュース
世界初、月面走行用オートバイ「Tardigrade」が誕生
オートバイやその部品を扱うドイツのカスタムバイク会社Hookieは、2021年10月にロサンゼルスのピーターセン自動車博物館で開催された企画展「ADV:Overland」にて、世界初となる月面走行用オートバイ「Tardigrade」を展示した。
2020年の起案から1年間の開発期間を経てプロトタイプとして誕生した「Tardigrade」は、超軽量素材や、交換可能な専用のエアレスカーボンタイヤを駆使したモーターバイク。月面走行用に設計されており、タイヤのトレッド部分のスペアパーツは3Dプリンターでの作製が可能。最高速度は時速15km、バッテリーフル充電での航続距離は最大110kmほど走行が可能だという。
フォルムは、ロシアのアーティストAndrew Fabishevskiy氏によるデザインに基づき設計されており、Hookie社は自社サイトで「実用的なものなんてどこにでもある。より魅力的で、美的でないと満足できない」と述べている。気鋭のバイクメーカーHookie社らしい、これまでのオートバイにないような秀逸なデザインとなっている。
ちなみに、「Tardigrade(=クマムシ)」という名には、地球上で最も高い生命力と耐性能力を持つ生物クマムシのように、“過酷な宇宙空間でも探索者を生還させる生命力を持つ”という思いが込められているそう。
宇宙旅行など、民間の会社による宇宙進出が現実的になってきた昨今。「Tardigrade」のような「月での活動を目的」とした製品も登場するなど、着実に民間での宇宙開発も進んできている中、Tardigradeの今後の展開に期待が高まる。
Top Image : © Hookie Co.