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2024.10.24
知財ニュース
「日本の美意識を纏う」万博・日本館アテンダントのユニフォーム公開―着物ベースに日本的な“余白”を体現
経済産業省は2024年10月17日、2025年大阪・関西万博に同省が出展する日本政府館(略称「日本館」)の案内などを担うアテンダントのユニフォームを決定した。着心地・暑さ対策・機能性に加え、環境に配慮した素材の使用や会期終了後のリサイクルなど、総合的な視点から製作。「日本の美意識を纏う(まとう)」をデザインコンセプトに、美しさと機能性を両立したユニフォームを設計した。
デザインは、ファッションブランドの運営を軸に国内外で幅広く活動しているクリエイティブディレクターの中田優也氏が担当した。日本の伝統衣装である着物の構造をもとに、余白を大切にする日本的な感覚も体現。着物のような帯状のベルトでフィット感を調整できるなど、アテンダント自身が自由にスタイリングできる柔軟性を持たせている。年齢や性別を問わず、多様なスタイルで着用できる。
また、帽子・ジャケット・パンツなどを風呂敷でまとめて持ち運びできるといった、日本文化を感じられる工夫も施している。
環境にも配慮しており、素材には植物由来のポリエステル繊維や、使用済みのペットボトルを原料としたリサイクル繊維などを利用。さらに、リサイクルしやすい「モノマテリアル(単一素材)」を採用した。リサイクル時に分別が必要となるボタンやファスナーなどを使っていないため、作業工程を簡略化でき、次の製品に生まれ変わりやすくなる。日本館のアテンダントユニフォームも、万博終了後に回収・再商品化することを検討しているという。
ジャケット・バッグ・キャップなどユニフォームの各アイテムは、東レ株式会社、帝人フロンティア株式会社、株式会社マキシン、NEWBASIC株式会社、福助株式会社の協賛によって展開している。
日本館アテンダントは、2024年4月24日から7月31日の期間で募集し、応募総数2,695名から約270名を内定。18歳から70歳まで、全国各地の幅広い年齢層のメンバーが選出された。今後、オンラインや実地研修を通じて、国内外の来場者を適切に案内・誘導できるよう準備を進めるという。
Top Image : © 経済産業省