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2024.05.08
知財ニュース
外科手術視覚支援システム「Eureka α」が国内初の厚労省承認獲得
人工知能技術を用いて人体のあらゆる重要臓器を視覚化する手術支援ソフトウェアを開発するアナウト株式会社は、手術中リアルタイムに疎性結合組織の位置や領域を推定し、強調表示することで医師の視覚支援を行う「手術用画像認識支援プログラム」について、2024年4月12日付で厚生労働大臣より製造販売承認(承認番号:30600BZX00061000)を取得したことを発表した。
同プログラムの販売名は、外科手術視覚支援プログラムEureka α(ユーリカアルファ)。手術動画を解析した上で解剖学的構造物等の位置や領域を推定し、外科医にリアルタイムに提示できるプログラム医療機器としては国内で初めてとなる(※)。
「Eureka α」は、手術用に、内視鏡システムや手術支援ロボットから受けた映像信号を解析。術者が通常確認するモニターとは異なるサブモニター上に疎性結合組織とよばれる線維性の構造物を強調表示することで、外科医の視覚認識をサポートする。
同プログラムは、胃、大腸、鼠径ヘルニア領域の手術において使用することが可能。あくまで構造物の認識を支援とすることを目的としており、手術操作の判断は外科医が行うという。
従来、若手医師がエキスパート外科医の技術や経験を継承するには膨大な時間を要することや、長時間の執刀による疲労の蓄積、集中力の低下など、外科医の手術における厳しい環境が懸念されてきた。今回のプログラムにより、外科医を支える技術開発の更なる進展が期待されている。
また、同社が先行販売している教育及び研究用ソフトウェアの「Surgical Vision Eureka」は、神経、膵臓、尿管や血管など複数の構造物を認識することが可能。既に複数の大学病院等で学生や若手外科医の教育及び研究開発に活用されている。
今後同社では、消化器外科領域から、婦人科・泌尿器科領域など、適用範囲を拡張していくなど、ソフトウェアのさらなる開発を継続していく予定。また、国内だけではなく、欧米・アジア諸国での研究及び事業開発の加速化も視野に入れ取り組んでいく。
※独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する令和5年度までに承認された品目一覧及び令和6年度の承認医療機器を同社が確認する限りの情報(2024年4月17日時点)
Top Image : © アナウト 株式会社