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2023.11.16

知財ニュース

尿検査機能付きの小便器「遇測」、中国で誕生─アリババ出身の創業者が発案、約1万台の公衆トイレに設置

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公衆トイレで小便するだけで尿検査ができる。そんな機能を持つ男性用の小便器「遇测健康检测小便池」(以下、遇測)が、中国で誕生した。

「遇測」の小便器で普段通りに用を足すと、自動で尿検査を実施。小便器搭載パネルに表示されるQRコードを読み込み、テンセントのモバイル決済サービス「微信支付(WeChat Pay)」で料金を支払えば、対話アプリ「微信(WeChat)」に検査結果が送られる仕組み。検査できるのは、蛋白や潜血、糖などを含む14項目。腎機能や肝機能などの健康状態を簡単に確認でき、病気の早期発見や日常の健康管理が可能となる。

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使用後は自動的に洗浄し、使用済み検査機器は廃棄して、新たな検査を可能にする。独自開発した検出技術や赤外線センサーなどで正確な検出を実現。検査機器内部は日々ディープクリーニングを行う。

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開発したのは、アリババグループ出身の張振波氏が率いる西安遇測健康管理(Yuce Technology)。同氏は2018年に「遇測」アイディアを思いつき、その後、アリババを離れて製品化に向けた研究開発を推進。2019年に第1世代の製品を開発し、2021年からは量産化を開始した。「遇測」では、実用新案40件、特許6件、意匠2件などを取得している。

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現在の設置場所は主に、空港や高速鉄道の駅、サービスエリア、観光地、ショッピングモールなどの公衆トイレ。約2,000施設に1万台近くを設置しており、100万人以上が利用したという。

「遇測」は、現状では男性用小便器のみだが、2023年9月13日に北京で行ったメディア説明会では、婦人科系の炎症などを検査できる女性用便器を展開予定と述べた。2023年内の製品化を目指している。

「遇測」製品サイト

Top Image : © 西安遇測健康管理 有限公司

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