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2022.11.24

知財ニュース

筑波大学、注射などの痛みや恐怖を和らげるウェアラブルロボットを開発

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筑波大学システム情報系 知能機械工学域の田中文英准教授らの研究チームは、人の痛みや恐怖を緩和できるウェアラブルロボットの開発を推進し、開発したプロトタイプ「Reliebo」を使用し、その効果を定量的に確認した。

研究チームが開発したプロトタイプロボット「Reliebo」は、握りこぶし大のサイズで、柔らかな毛皮で覆われたもの。介護や看護などの現場で行われている、腕や背中をなでたりさすったりすることで人の痛みや不安を和らげるソーシャルタッチやインターパーソナルタッチをロボットで実現することで、麻酔が用いられない注射などの際に感じる患者の痛みや不安を和らげる。

FireShot Capture 224 - - www.tsukuba.ac.jp

本実験に用いられたプロトタイプは、頭部があり、ユーザーとアイコンタクトするように首の向きを調整可能。胴体には3つの小型エアバッグが内蔵され、外付けのポンプで空気圧を制御し自在に膨張収縮できる。また、ユーザーの握り動作を検出する圧力センサも内蔵。ユーザーが手にはめて握った際に、手の甲と側面のエアバッグを膨張させて「握る」感覚と「握られる」感覚を同時に提示し、「外から大きな手で握られている」感覚を与えられる。

FireShot Capture 225 - - www.tsukuba.ac.jp

また、研究チームでは、開発したプロトタイプの有効性を検証するため、70名を超える学生を対象とした実験とアンケートを実施。その結果、ロボットを着用した場合、痛み値や恐怖心が減少したことを実証できた。

研究チームでは、今後もユーザーの痛みや不安を効果的に和らげるロボットのデザインや機能に関する研究を推進する。ロボットとVR(仮想現実)AR(拡張現実)上の介入手法とを融合させることで、より広い用途で活用できる技術の開発も進めていくとのこと。

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筑波大学 田中文英研究室 公式サイト

Top Image : © 国立大学法人 筑波大学

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