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2024.07.01

知財ニュース

リコーと理研、特許・論文のキーワード解析で技術実用化の兆しを判定するアルゴリズム開発

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リコー理化学研究所 数理創造プログラムは、過去に開発したアルゴリズムを応用し、特許と論文に共通して出現するキーワードを多重解析するアルゴリズムを開発したことを発表した。

アルゴリズムは、大学や研究機関などのアカデミアサイドの研究が一段落し、企業などのビジネスサイドで事業化フェーズに移行しつつある技術を、「実用化の兆し」があるものとして捉え、実用化の兆しを数値によって判定することが可能になる。なお、本技術は特許出願済み。

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具体的には、特許と論文に共通して出現するキーワードごとに、過去に開発したアルゴリズムを適用し、それぞれの増減パターンを座標解析で計算する。過去に開発したアルゴリズムは、特許または論文のみのパターンを1つの座標で判別していたが、同アルゴリズムでは特許と論文それぞれで座標計算を行う。そのため。1つのキーワードにつき2つの点がプロットされ、各キーワードはこれら2つの点を繋ぐ線分で表される。

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研究の主なアウトプットである論文の増加が既に収束しており、ビジネスの主なアウトプットである特許が近年急増しているようなパターンを判別することで、実用化の兆しを捉えるという。

リコーと理化学研究所は2023年6月に、既存の技術文献データから新しいトレンドの変化点を定量的に測定し把握するアルゴリズムを、共同研究により開発した。ただ、その兆しが、研究の黎明期にある兆しなのか、実用化に近づいている兆しなのかを定量的に判断することは困難だった。

今回のアルゴリズムは、特許と論文に共通して出現するキーワードの増減パターンを座標解析によって判別することで、実用化フェーズの察知を効率的に実現する。

同社は、「近年、世の中の技術トレンドを網羅的かつ定量的に把握するため、データを活用したリサーチ手法の開発と活用が活発化している。今後も研究開発におけるテーマ探索活動に対する網羅性やスピードの提供を強化し、新たな研究テーマの探索と価値の高い知的財産の創出に貢献していきたい」と抱負を述べている。

プレスリリースはこちら

技術の実用化の兆しを発見する手法(リコー)

新たな技術の兆しを発見する可視化手法(リコー)

Top Image : © 株式会社 リコー

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