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2023.02.14

知財ニュース

英国議会がFAX廃止を決議─電話事業者2社のファックス対応義務を撤廃

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英議会は、ユニバーサルサービス義務(USO)からファックスサービスを排除することを決議した。併せて、英国の通信規制当局Ofcomも自社のネットワーク上でファックスをサポートする義務規則を改正した。

1980年代後半、文書を送信する手段として脚光を浴びたファックスだが、インターネットの普及によりその使用率は大幅に減少している。そんな中、聴覚障害者や言語障害者がテキストで会話できることから、英国の電話事業者2社は、ユニバーサルサービス義務(USO)と呼ばれる制度で自社のネットワーク上でファックスをサポートする義務を負っていた。しかしこの度、英議会が電話事業者2社に課しているファックス対応義務を撤廃した。

協議の際には、ファックスは銀行情報などの機密情報を共有する際に安全であるほか、インターネットやコンピュータが故障した場合のバックアップとして有効であることから、反対の声も挙がっていた。しかし、近年は電子メールや画像メッセージ、電子署名サービスなど、無料または比較的安価で利用できるインターネットサービスが広く利用されていることから、BT (ブリティッシュ・テレコム)はIPネットワークへの全面移行と、ファックスの固定電話回線の電話網(PSTN)の廃止に向かっている。なお、IPネットワークへの全面移行は2025年中になるという。

なお、Ofcomが声明の中で説明しているように、この規則改正によりファックスが突然使えなくなることはなく、今後BTとKCOMが規則に基づいてファックスを自社ネットワーク上で提供する義務をなくし、過度に負担とならないようにするためという。

省庁や製造・物流・店舗運営など、業界によっては依然としてファックスが活用されている。しかし、テレワークやDXやペーパーレスによりファックスが廃止されるのは時間の問題かもしれない。

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Top Image : © Ofcom

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