News

2025.08.21

知財ニュース

日本初、病院内に警備ロボット採用―ロボットが倒れている人を発見、大阪医科薬科大病院に本格導入

25363-41-e035f39c66dd899d1d18a276e71a936e-3292x2189

8月4日より、大阪医科薬科大学病院において、自律移動型警備ロボット「SQ-2」が本格的な稼働を開始した。全国の病院施設で警備ロボットが導入されるのはこれが初の事例。

同取り組みは、学校法人大阪医科薬科大学と、自律移動型ロボットの開発を手がけるSEQSENSE株式会社の連携によって実現。医療現場における働き方改革とセキュリティ体制の新たな一歩として注目されている。

sub2

大阪医科薬科大学病院に導入された「SQ-2」は、これまで警備員が担ってきた業務の一部を代替し、広範囲にわたる警備の効率化と、スタッフの負担軽減に貢献する。具体的には、警備員が監視用パソコンから指示を出すことで、ロボットは指定されたルートを自律的に移動し、巡回業務を実施。特筆すべきは、エレベーターと連動して1階から4階までの複数フロアを移動できる点で、診察日は夜間、休診日は終日にわたり、人間の警備員と連携しながら広範囲のセキュリティを確保する。巡回完了後は自動で充電ステーションに戻るため、人の手を介さず継続的な稼働が可能だ。

25363-41-0a1d90d37a9c9c950480b25159fbdc43-1920x1080

また、SQ-2は単なる巡回業務に留まらない。日中の診察時間中には、1階フロアで音声アナウンス機能を用いて来院者への案内を行う。音声通話による問い合わせにも対応しており、初めて訪れる患者や見舞客が迷うことなく目的地へたどり着けるようサポートすることもできる。

さらに、高度な検知機能も大きな特徴。巡回中に倒れている人を発見すると、即座に警備拠点のパソコンに通知し、警備員が迅速に現場へ駆けつける体制を構築する。夜間の巡回時には、人物検知機能によって指定されたエリアや時間帯に人がいる場合にアラートを発することで、不審者の侵入などを早期に発見し、院内の安全をより一層強化するという。

これらの多岐にわたる業務を可能にしているのが、「SQ-2」に搭載された独自の3D LiDARをはじめとする先進技術。周囲の環境を三次元で詳細にマッピングし、歩行者などの動く障害物をリアルタイムで検知・回避しながら、複雑な院内を安全かつ効率的に移動する。加えて、定期的な遠隔アップデートによって新機能の追加や改善が行われるため、常に最新の状態で運用できる点も強みだ。

25363-41-52c287707a1cea266e69d430cc7c13e6-3382x2378

SEQSENSE社は、深刻化する労働力不足という社会課題の解決を目指し、「世界を変えない。」というミッションのもと、実社会で役立つ自律移動型ロボットの開発とサービス提供を推進。2019年のローンチ以降、日本全国でロボットを導入し、警備現場での実績を重ねている。今回の導入は、その理念を医療現場で具現化する重要なマイルストーンとなる。

SEQSENSE社は今回の導入を皮切りに、働き手不足という社会全体の課題に対し、ロボット技術による実用的な解決策を提示し、ロボットが社会に自然に溶け込み、人々を支える未来の実現を目指していくとしている。

プレスリリースはこちら

Top Image : © SEQSENSE 株式会社

広告