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2023.07.12
知財ニュース
Meta、Twitter対抗アプリ「Threads」提供開始─登録者1億人を突破、ChatGPTを超える急拡大
米Metaは現地時間7月5日、テキスト共有SNSアプリ「Threads(スレッズ)」の初期バージョンを公開した。写真や動画をメインとする同社「Instagram」のアカウントがあれば、誰でも利用できる仕様のアプリは、公開後、登録者が急増。10日時点で登録者数は1億人を超えた。2022年11月にリリースされ世界的な注目を集めたOpenAIのChatGPTは、約2カ月で1億人に到達したが、それを超えるペースで拡がっている。
Threadsは、テキストメインのコミュニケーションアプリで、Instagramのアカウントを使ってログインする。最大500文字まで投稿可能。10枚までの写真やリンク、最長5分の動画も投稿できる。現在、日本語含む30以上の言語に対応。iOSとAndroidを通じて100カ国以上に提供している。
現時点では、Instagramのアカウントが軸のため、アカウント名や画像はInstagramの設定がそのまま使われる。フォローしている人はThreadsでもフォローできるが、外したり、新たな追加も可能。現時点ではアカウント連携を外せず、いずれかのアカウントを削除すると両方消えてしまうため注意が必要だ。
Threadsは、イーロン・マスク氏が率いるTwitterとほぼ同等な機能を持つ。そのため、閲覧制限など昨今のTwitter運営のゴタゴタを踏まえ、各メディアでは、Metaがその領域を狙ってリリースしたと報じている。またThe New York Timesによると、一部の技術者は同アプリを"ツイッターキラー"と呼んでいるという。
そうしたタイミングの良い立ち上げのベースには、FacebookとInstagramという、Meta社の世界最大規模のSNS運営ノウハウとインフラがある。Facebookのユーザーは30億人超で、Instagramは23億人を超える。Instagramを通じたプロモーションによるユーザー獲得や、登録者急増にも耐えうるシステム・知見保有などにより、Threadsの急拡大に至ったといえる。
Metaは今後、World Wide Web Consortium(W3C)によって構築された「ActivityPub」に対応していくという。ActivityPubは、ソーシャルメディア・プラットフォームを相互接続するためのプロトコル。Threadsのアカウントを持っていない別アプリのユーザーでも、フォローし合えたり、コミュニケーションできるようになる。また開発者は容易にプラグイン可能となり、アプリ構築などに活用できるという。
同社は、ActivityPubへの対応時期を近日中としている。今後の進展により、特定のSNS内に閉じない、より開かれたSNS環境が拡がると期待される。
Top Image : © Instagram from Meta