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2025.08.15
知財ニュース
移動型無人販売サービス「PIMTO」、成田空港で実証実験開始―人流の多い場所へ移動し販売

パナソニック ホールディングス、成田国際空港株式会社(NAA)、株式会社マッシュアップは共同で、移動型無人販売サービス「PIMTO」の第2回実証実験を、7月29日から8月11日にかけて第1ターミナルの出国後エリアで実施した。増加するインバウンド需要に対応した特別な購買体験を提供することが大きな目的。
同実験の主役である「PIMTO」は、店舗を構えることなく販売拠点を柔軟に増やせる、自律移動可能な無人販売ロボット。今回は前回の実証を踏まえ、さらに進化したサービスを展開。搭乗ゲート周辺の人流を感知しながら最適な場所へ移動し、サブカルチャーアイテムやキャラクターグッズ、人気のスウィーツ、韓国コスメまで、インバウンド客の心をくすぐる商品を日替わりで販売する。
支払いはクレジットカードや交通系電子マネー、QR決済に幅広く対応しており、誰もがスムーズに買い物を楽しめるという。
同ロボットの魅力は、単に商品を売るだけではなく、「Wings & Wonders」というテーマのもと、体験そのものにエンターテインメント性を持たせているという点だ。
利用者はゲーム感覚で商品を選べるよう工夫されており、ロボットの機体に表示される11カ国語のメッセージが、世界中から訪れる旅行者の興味を引きつける。また、運用は専用アプリ「PIMTO UI」によって遠隔から効率的に管理されており、未来の店舗運営の姿を垣間見ることができるという。
さらに、同取り組みは社会的な価値も追求。福祉施設と連携し、障がいを持つ人々などがサービス運営に参加できる「ユニバーサルデザイン」の思想が取り入れられており、テクノロジーの活用が多様な人々の活躍の場を創出する可能性を示している。
空港での人手不足解消や顧客満足度の向上はもちろん、将来的には商業施設やイベント会場など、様々な場所での活躍が期待される「PIMTO」。施設運営のデジタル化とスマートインフラ整備の担い手として、小さなロボットに注目が寄せられている。
Top Image : © パナソニック