カップルの健全な関係を育むため、弁護士監修の性的同意アプリ「キロク」が、2023年中にリリース予定だ。密室で同意があったことを証明するのが困難である性交等について、性行為の同意を自身の端末上で行えるもの。

同アプリは2023年8月16日にプレスリリースが公開され8月25日にリリースを予定していたものの、開発元に想定以上の反響や意見が寄せられた。そこでユーザーの意見やセキュリティ強化などをシステムに反映するための期間として正式なリリース日を延期し、2023年中のリリースを予定している。

「キロク」には複雑な手順はなく、自身の端末から性的行為の同意の記録を行える。手順としては次の3STEPとなっている。

1. お持ちのスマートフォンやタブレットでアプリ「キロク」をダウンロード
2. 画面上の説明に沿って弁護士監修の法律条文に基づく注意事項を確認し【同意する】をタップ
3. 位置情報をオンにし、QRコードを読み取り相手と画面を共有

同アプリは、令和5年7月13日、性犯罪に関して刑法改正により「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」が統合し、新たに「不同意性交等罪（刑法177条）」が新設されたことを受けて開発が進められてきた。

「不同意性交等罪」において、性交等をした時点で同意があったと思っていた場合でも、後から相手が「本当は同意していなかった」と申告することで、加害者として罪に問われる可能性がある。密室で同意があったことを証明するのは困難であることから、両者の相違を防ぐ為に「性的同意書」を準備する必要があるが、紙を出して記名・捺印の手順はその場の雰囲気を壊してしまうなどの懸念の声が上がっていた。

そこでスムーズに性行為の同意を行えるものとして開発されたのが、今回開発中の性的同意アプリ「キロク」だ。

「キロク」は、過去に同意をした相手でも、双方同意の上で何度もアプリ内でデジタル同意書を発行することが可能。開発元のアプリ＜キロク＞では、「男女共に安心して利用できる同意アプリの認知拡大と共に、カップルをサポートする記念日機能やマッチングアプリでの出会いをサポートし、相手の年齢や結婚歴などの身分保証が出来る機能の追加を検討中」と期待を込めている。

しかしリリース日の発表後、「脅されて押しても『合意した』となってしまうのでは」「もし過去の同意履歴をみられたら恥ずかしい」など不安の声や賛否の声があがっていた。

それらの反響や賛否両論を受け、開発会社より「セキュリティ強化を含め皆様が安心して使用できる内容であると確認が取れるよう調整中でございます」と発表され、アプリのリリースが8月25日から2023年内へと変更が発表された。セキュリティの強化のほか、同意を強制された場合の救済機能を追加するためとしている。

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Top Image : ©　アプリ「キロク」