News
2026.05.29
知財ニュース
ドイツの研究チーム、マウスの脳をガラス化する凍結保存でマウスの海馬の回復を実証

ドイツのエランゲン大学病院の研究チームは、マウスの脳切片および脳全体をガラス化による凍結保存方法を用いることで、解凍後にマウスの海馬が短期間で回復することを実証した。
脳の凍結保存は、従来の方法の場合、冷凍すると脳の水分が氷の結晶となり、脳の中の細胞を傷つけることで細胞が損傷し、神経構造と機能を維持することができないことから、これまで困難だった。
今回、ドイツのエランゲン大学病院の研究チームは、ガラス化による凍結保存という手法を用いることで脳の凍結保存を可能にした。水の大部分を特殊な液体に置き換えることで、これが凍結保存剤として機能し、水の結晶化を防ぎ、ガラスのように固まった状態で維持することができる方法だ。
実験では、研究チームは、マウスの脳をガラス化で凍結保存し、再び加温してどうなるかを確認した。すると学習や記憶で重要とされる脳の海馬が短期間で回復することが確認できた。具体的には、海馬のシナプス伝達などの維持や電気信号の回復が確認できたのだという。特に、海馬の長期増強(LTP)は良好に維持されており、学習と記憶の細胞機構が機能していることが示された。
また、結果としてマウスの脳は低体温によるほぼ完全な機能停止だけでなく、-196℃の硝子体状態での完全な機能停止に対しても非常に頑丈であることを実証した。これは、生命維持技術の可能性を示唆しているとのことだ。
Top Image : © エランゲン 大学病院


