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2022.04.17
知財ニュース
世界初の水陸両用船の無人運転・運航技術の開発に埼玉工業大学が成功
埼玉工業大学は、日本財団の推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環として、同財団が群馬県八ッ場あがつま湖にて2022年3月14日に実施した、水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」の無人運航の実証実験に参加し、実証に成功したと発表した。
水陸両用船による無人運航の実証は世界初とのこと。本プロジェクトで開発された経路の追従・避航システムなどは、船舶の安全運航等へ寄与することが期待されている。
「MEGURI2040」は、世界に先駆けた内航船における無人運航の実証試験成功を目標に掲げる、当該技術開発支援プロジェクト。
埼工大は、大学としては唯一「MEGURI2040」プロジェクトのコンソーシアムメンバーとして、ITbookホールディングス株式会社が代表となる「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」のコンソーシアムに、長野原町、エイビット、日本水陸両用車協会と共に参加し、開発を進めてきた。
今回の実験では、長野原町が所有する、全長11.83m、総トン数11トンの水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」に自律運行システムを搭載し、陸上から入水し、水上を航行して障害物を回避し、上陸する一連の自動運航を実現。
埼玉工業大学では、これまで自動運転バスの開発で培ってきた技術と、オープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutowareをベースに、無人運航船のシステムを構築。この2年間の共同研究の成果として、離着水・離着桟における位置推定及び自動運航技術、水上障害物検知及び回避のための技術、ローカル5G等を用いた遠隔操作技術の構築という、3つの目標を達成した。
国内貨物の会場運送・内航海運の業界は、日本全体で進行する少子高齢化・人口減少の影響で、船員の高齢化や、離島における生活航路として便数不足など人手不足が深刻化してきており、無人運航船は、そうした社会課題の解決の一つとして期待されている。
Top Image : © 埼玉工業大学