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2023.10.30

知財ニュース

Meta、脳活動から人の“心“を読む深層学習アプリケーション「Image Decoder」を発表

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Meta Platformsの研究者は2023年10月18日、脳活動から人の“心“を読むアプリケーション「Image Decoder」を発表した。

「Image Decoder」 は、同社が提供する自己教師付きのオープンソース基盤モデル「DINOv2」をベースとしたアプリケーション。脳から出てくる磁気を記録するMEG (脳磁図検査)で脳活動を把握することで、隔たったところにいる被験者が何を見ているか、何を想像しているかを把握できる。

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構築にあたり、同社では男女4人の患者(平均年齢23歳)の12セッションにわたる6万3,000件のMEGの結果を対象に、ディープラーニングアルゴリズムを訓練。生データとMEG活動を起こした時に被験者が見ていたイメージの両方を学習させ、MEGのデータを実際のソース画像と比較することで、脳内の磁気の変化から被験者が見ているイメージを解読する方法を学んだ。

「Image Decoder」のシステムは完璧ではないものの、一部では従来の手法の7倍の精度となる70%を達成。タコスやワカモレといった複雑で多様なイメージの解読には成功しなかったものの、イモムシやブロッコリーなど、潜在的なイメージのプールからはうまく画像を取り出せたという。

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同社の研究者は、「この発見は、研究室や診療所での視覚表現のリアルタイム解読に新たな道を示すもの」であるとして、期待を寄せている。しかし、精神的プライバシーの侵害など、倫理的課題に抵触する恐れから、実装はまだまだ先になりそうだ。

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「DINOv2」公式サイト

Top Image : © Meta

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