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2023.06.20
知財ニュース
Googleが人工内耳メーカーのコクレア、Australian Hearing Hubと技術提携を発表─AIを活用した補聴デバイス開発へ
米Googleは2023年3月21日、人工内耳システムを手がけるオーストラリアの最大手コクレア、オーストラリア政府推進の聴覚医療プロジェクトAustralian Hearing Hub(AHH)との技術提携を発表した。補聴器や人工内耳などの補聴技術の向上と、難聴に苦しむ人々のための新たなソリューションの構築を目指す。
本プロジェクトは、音源をより適切に識別・分類・分離するためのAIのアプリケーション探索を目指すもの。最初のプロジェクトでは、補聴器などの聴覚モデルのパーソナライズとリスニングデバイスの強化を推進し、会話などを優先するノイズキャンセリング機能を補助聴取装置に搭載することで、混雑したレストラン、グループでのブレインストーミングなど、ノイジーな環境でのスムーズな会話をサポートする。
世界最大規模の人工内耳プログラムを持つオーストラリア。特に同国の国立音響研究所(NAL)では、75 年間にわたり聴覚障害を評価するための世界標準を設定し、聴覚医療の革新や世界中の聴覚学者が使用する処方ソフトウェアの開発を推進してきた。3社は、基盤技術をより広くアクセスできるものにするため今回の提携を発表。既存の課題を克服し、聴覚ヘルスケアの実現に寄与する。
またGoogle Research Australiaでは、今回の連携にあたり、聴覚技術分野の分野の著名な世界的リーダーである Simon Carlile氏が復帰。コクレアは今後、技術提携により、補聴器や人工内耳などの既存の補聴技術の向上と、難聴に苦しむ方への新たなソリューションの構築を目指すとしている。
Australian Hearing Hub(AHH)公式サイト
コクレア 公式サイト
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