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2021.02.09
知財ニュース
Pascoから食用コオロギパウダーを使ったフィナンシェとバケットが発売
最近よく目にするようになった「昆虫食」。これまで「ゲテモノ」というイメージがあった昆虫ですが、未来の食糧危機を救う食材として世界中で広がりを見せています。
そんな中、敷島製パン(Pasco)の「未来食Labo」から食用コオロギパウダーを使った「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」シリーズが発売されました。コオロギカフェシリーズは、高崎経済大学発のベンチャー企業であるFUTURENAUT合同会社の食用コオロギパウダーを使用したもの。持続的な食糧の安定供給を目指したSDGsの取り組みとして、これまでの食生活や未来の食について考える良いきっかけになればとの思いから開発されたそうです。
世界的な人口増加や都市化に伴い動物性たんぱく源の需要が増える一方で、人口を支えるために必要な数の家畜の飼育は森林破壊や環境汚染に繋がるおそれがあると言われています。そこで、魚や肉よりもたんぱく質が豊富な昆虫が注目を浴びるようになりました。栄養価の面だけでなく、家畜と比較して水や土地を必要とせず、伝染病のリスクも低い点から、環境負荷の小さい次世代のたんぱく源として国連食糧農業機関(FAO)も推奨しています。さらに、生産コストの低さや加工のしやすさなどの経済的利点から、昆虫食ビジネスが発展途上国や貧困層の生計を支える可能性があるという点も注目すべきポイントです。
現在製品化されているのはフィナンシェ2種類とバケット。昨年12月に発売された際には発売開始2日で完売となりました。Pascoのオンラインショップでは2021年1月18日から販売が再開されており、数量限定のため、なくなり次第終了とのことです。
気になる味ですが、「エビのような味」と表現されることが多いそう。クセの少ない香ばしい風味が特徴で、雑穀や炒ったナッツのような香りによって味に深みを出すことができるようです。
日本での昆虫食というと、昨年無印良品から発売された「コオロギせんべい」も初回販売分は当日完売という人気ぶりを見せました。フードロスが問題となっている日本で食糧危機を想像することは難しいですが、敷島製パンや無印良品など、環境に対する意識が高い企業を皮切りに、日本でも昆虫食が普及していきそうです。