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2021.02.15

知財ニュース

国内ホテル初、川崎キングスカイフロント東急REIホテルが食品リサイクル発電・CO2排出ゼロの電力プランを導入

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近年、世界中でサステナビリティの重要性が訴えられるようになりました。「脱炭素化」を目指すパリ協定やSDGs(持続可能な開発目標)が定められ、目標達成のために具体的にどう取り組んでいくかが課題となっています。

日本でも、多くの企業が長期的なサステナビリティ目標を掲げた取り組みを行っています。2050年までに環境負荷ゼロを目指す「Road to Zero」を掲げるソニーや、「CO2ゼロ」と「プラスの社会」を目指した「環境チャレンジ2050」を推進するトヨタ自動車、持続的な食糧の安定供給を目指す取り組みとして食用コオロギパウダーを使用した製品を開発した敷島製パン(Pasco)など、枚挙にいとまがありません。

「サステナブルな社会」への意識が高まっている中、神奈川県にある川崎キングスカイフロント東急REIホテルは、国内ホテル初の「泊まるだけでエコなホテル」としてSDGsへの取り組みを行っています。

そのひとつとして、2020年4月より、ホテルで排出した食品廃棄物を燃料に発電された電力とCO2排出係数ゼロの電力を使用する電力プランを導入。川崎市の優秀なCO2削減の取り組みを表彰する「スマートライフスタイル大賞」にて最優秀賞を受賞しています。

このプランは、アーバンエナジー株式会社の電力メニュー「創電割®」と「ゼロエミプラン®」を活用しており、食品廃棄物を燃料とする発電所がホテル近隣にあることから実現したそうです。「創電割®」とは、自らが排出した廃棄物により発電した電力をアーバンエナジーが買い取り、発生元へ割引還元するサービスのこと。一方で「ゼロエミプラン®」とは再生可能エネルギーによる電気のみを供給する、環境に配慮したプランです。前者はパシフィコ横浜で、後者はイケア・ジャパン株式会社での採用実績があります。

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川崎キングスカイフロント東急REIホテルは「地球にやさしいホテル・まちにやさしいホテル・ひとにやさしいホテル」という3つのサステナビリティを定めており、人や環境に配慮したサービスの拡充を推進してきたホテルです。環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」にも協力しており、使用済プラスチックからつくられた水素を電気と給湯に活用し、ホテル内の約30%のエネルギーを水素で賄う実験を実施しています。現在は、この低炭素水素由来の電気によるLED照明を用いた「植物工場」も開設。水素エネルギーと「創電割®」「ゼロエミプラン®」の導入によって、ホテル内で使用する電力の全てが環境に配慮したものになったそうです。

他にも、プラスチック製ストローの廃止や、希望する顧客に対して寝具類の交換を行わない「グリーンカード」制度、アメニティの使用量を削減して環境保全活動の基金とする「グリーンコイン」制度も導入しています。また、SDGsによる「誰一人取り残さない(leave no one behind)」の誓いの通り、ユニバーサルルームやバリアフリールームの設置、ベジタリアンメニューの提供など、人にもやさしいホテルを目指しているそうです。

これまで、充実したアメニティやルームサービスの提供がホテルの魅力のひとつでしたが、サステナブルな社会を目指す中で求められるものも変わっていくのかもしれません。個人での取り組みとともに、今後さらに普及していくであろう企業の取り組みにも注目していきたいですね。

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