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2021.09.29

知財ニュース

ロボット研究者の石黒浩教授が新会社「AVITA株式会社」を設立、5社から5.2億円を調達―アバターの社会実装を目指す

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大阪大学大学院基礎工学研究科教授でロボット研究者の石黒浩氏が、大学発の新会社「AVITA株式会社」を設立した。

石黒氏はこれまで、20年以上にわたって人と関わるロボットアバターの研究開発に携わってきた。本人そっくりのロボット「ジェミノイド」や、車輪で移動する子供型アンドロイド「ibuki」、AI搭載アンドロイド「ERICA」などのロボットを開発するほか、内閣府が主導するムーンショット型研究開発制度における「アバター共生社会」のプロジェクトマネージャーや、大阪関西万博のテーマ事業プロデューサーも務めている。2015年には、ドバイ首長名の国際賞で、ナレッジ普及に貢献した国際的人物に授与される賞「シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞」を受賞。これはWorld Wide Webの開発者であるティム・バーナーズ・リー、ウィキペディアの創始者であるジミー・ウェールズに続いて個人としては3人目の受賞となる。

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AVITA株式会社は、ロボット研究の最先端に身を置く石黒氏がこれまで行ってきた研究成果や、ムーンショット型研究開発制度、大阪・関西万博、その他企業との連携による様々な研究成果を社会に実装し、誰もがCGやロボットのアバターを用いて空間や時間の制約を超えて活動できる社会を目指している。

AVITA社のビジョンは「Virtualize the Real World」。人は働く自分や家庭での自分など、複数の自分を持って活動しているが、アバターを用いることで、状況や目的に応じた様々な自分で自由に活動することができるようになる。このことを「アバターを用いた実世界の仮想化と多重化(virtualize the real world)」と呼び、仮想化され多重化された世界で人々を実世界の制約から解き放ち、誰もが自由に活動できる社会を作るとしている。

メイン事業としては、人々がアバターを使って働くための仕組みであるアバターサービス事業を展開するとのこと。まずはアバターによる販売や接客からスタートし、アバターを使ったコミュニケーション技術を活かしてカウンセリングや診療などの分野へと展開。2023年以降はBtoCも視野に入れ、2025年大阪・関西万博開催にあわせてリアルロボットによるサービスローンチを目指すようだ。

AVITA社はこのビジョンの実現に向けて、大阪ガス株式会社、株式会社サイバーエージェント、塩野義製薬株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社フジキン(五十音順)より、5.2億円の資金調達を実施した。各社と事業連携を行いながら、アバターの社会実装に取り組んでいく。

【会社概要】
◆ 社名
  AVITA株式会社(AVITA,Inc.)
◆ 創業メンバー
・取締役
  代表取締役CEO 石黒 浩、取締役COO 西口 昇吾、社外取締役 濱口 秀司
・顧問
  藤野 真人、竹崎 雄一郎
◆ 設立日
  2021年6月1日
◆ 事業内容
  アバターサービス事業、アバタープロデュース事業

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Top Image :©大阪大学大学院 基礎工学研究科 石黒研究室

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