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2021.07.21

知財ニュース

90分以内に新型コロナウイルス感染を判定できるマスクをMITとハーバード大が共同開発

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究グループが、新型コロナウイルスの感染を判定するマスクを共同開発した。

開発されたマスクにはフリーズドライの使い捨て小型センサーが埋め込まれており、装着者の息を分析して90分で感染の有無を判定することができる。このセンサーはもともとエボラ出血熱やジカ熱のウイルスを検出するために白衣に取り付けるウェアラブルセンサーとして開発されていたもので、今回新型コロナウイルスにも応用された。研究チームによると、このマスクは判定まで3〜6時間程かかるPCR検査と同じ精度の検出率であり、抗原検査と同じくらいの速さで検出できるとされている。

センサー内部にはタンパク質やRNAなどの細胞機構がフリーズドライの状態で埋め込まれており、これにウイルス粒子を含んだ液体飛沫がかかるとセンサーが活性化して色が変化する仕組みだ。マスク装着後にボタンを押すとテストが実施されるようになっている。マスクにはカプセルに入った水が取り付けられており、ボタンを押すことで放出される水をセンサー内のフリーズドライの細胞が吸収し、マスク装着者の呼吸によって溜まった水分と相互作用を起こしてセンサーが分析する。

検査結果はマスクの内側にのみ表示されるため、装着者のプライバシーが守られる作りになっている。

また、新型コロナウイルスだけでなく、他の様々なウイルスを検出するセンサーを取り付けることも可能。判定までの迅速さや正確さを活かし、もとの用途と同じく医療従事者や救急隊員の制服に取り付けるウェアラブルセンサーとして活用することもできるとされている。

センサーは小型で電子部品を含まないため、マスクの製造コストを抑えられることも魅力だ。研究チームは現在、マスクを生産できるメーカーを探している。

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Top Image :©Massachusetts Institute of Technology

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