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2021.05.17

コラム | 特許文献を愛でる

「小道具(体ものまねTシャツ)」株式会社エース・マーチャンダイズ、秋山竜次

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お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さんが、自身のグッズである「体ものまねTシャツ」で特許を取得していることをご存知だろうか。

「体ものまね」とは、自身の体に俳優・梅宮辰夫さんのお面を合わせ、文字通り体を真似するという、2012年に生み出された秋山さんの持ちネタ。そんな「体ものまね」がブレイクしてテレビ番組に呼ばれるようになったが、肝心のお面を忘れてしまうといった事件が度々あったそう。その対策として、秋山さんはTシャツの裏側に俳優・梅宮辰夫さんの顔をプリントし、首まで脱ぐことで自身の顔の位置に梅宮さんの顔の印刷が現れる「体ものまねTシャツ」を2016年に開発。

2019年には、「Tシャツの裏に顔を印刷し、その顔を自身の顔の前にもっていくために、印刷した人物の目の位置と合致した目印を表に配置」といった旨の特許(特許第6366202号)を取得した。

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【請求項1】
プルオーバー型の上衣の前身頃の裏地に人物の顔をかたどった像が前記上衣の上下方向に対して倒立状態で設けられ、前記前身頃の表地に、前記像が有する目の位置を示す目印が設けられ、
前記目印は前記像の目の並び方向に延び、且つ前記像の目の並びの位置と合致した位置に設けられており、前記目印の両端はそれぞれ前記像の輪郭と対応する位置にあることを特徴とする小道具。
【請求項2】
前記像は絵又は写真から成ることを特徴とする請求項1に記載の小道具。
【請求項3】
前記上衣がTシャツ、トレーナー、スウェット及びセーターのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の小道具。

この工夫により、裏地にプリントした人物の顔の輪郭に合わせて、自身の顔を瞬時に別人の顔に変えてみせることができる。「なりきり芸」を本領とし、独特な世界観を持つ秋山さんらしい発想と言えるだろう。

現在は梅宮さんの他に、自身を含めた「ロバートシリーズ」や赤ちゃん向けの「サンリオシリーズ」、ゴリラやオオサンショウウオになれる「動物シリーズ」などが発売されている。

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お笑い芸人等のグッズは、ブームと同時に模倣商品などが販売されるという実状を踏まえ、この度の秋山さんの「体ものまねTシャツ」のように、芸のネタを特許化する動きが今後増えていくのではないだろうか。

ちなみに、この発明は “小道具”として扱われており、お笑い芸人などが事業として使用すると、この特許権を侵害することとなる。ただし、個人的に模倣することは問題にはならない。結婚式や宴会の余興でお困りの方は、ぜひ「体ものまね」を披露してみてはいかがだろうか。

▼「体ものまねTシャツ」の正しい使い方はこちら

本特許についての詳細はこちら(特開2018-035483)

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