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2025.12.04

コラム | 知財図鑑コラム

知財ハンターがオススメする「現実になった近未来技術を描く映画」 【知を読む】

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世界を進化させる“すごい知財”を日々収集し、クリエイター目線で未来の活用法を提案するWEBメディア「知財図鑑」。知財図鑑に掲載される情報は、日々テクノロジーやカルチャーにアンテナを立て続けている知財ハンター、およびDAOを目指した自律分散型組織「知財ハンター協会」のメンバーによってハントされています。

このコラム「知を読む」では、職種も年齢も様々な知財ハンターたちがレコメンドする書籍を紹介します。今回のテーマは「現実になった近未来技術を描く映画」 です。

かつてSF映画の中で「こんな未来が来るかもしれない」と描かれていた技術の数々。当時の観客にとっては夢物語だったそれらが、いま私たちの日常に溶け込んでいます。今回はそんな「実現している近未来技術を描いた映画」を紹介します。

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『2001年宇宙の旅』

2001年宇宙の旅 引用元: https://amzn.to/49VYdXA

スタンリー・キューブリック監督作のSF映画の金字塔。後のSF作品に影響を与えたと言われ、あのジェームズ・キャメロンもお気に入りの一つに挙げている作品。
この映画で登場する音声応答AI「HAL9000」は、いまでは当たり前な音声アシスタントとして現在の我々の生活に欠かせないものになっています。
音声アシスタント機能として、私がぱっと思いつくのはやはりGoogle。調べてみたら

  • 米国では2009年8月6日に「Voice Assistant System」 (US20110040564A1) の名称で出願され、

  • 日本では出願日: 2018年6月5日に「多言語での自動化されたアシスタントを用いたエンドツーエンドコミュニケーションの促進」 (JP2018-548678) の名称で出願されている

ので、ご興味ある方は是非!。(レビュアー:ショーン鈴木)

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『ブレードランナー』

ブレードランナー クロニクル [Blu-ray] 引用元: https://amzn.to/4pQ5aOp

『ブレードランナー』の舞台が2019年だったことをご存知だろうか。私たちはもう、あの未来を追い越したのだ。空飛ぶ車はないが、都市の景観を支配する「広告」という形で、予言はより的確に現実のものとなった。

渋谷の交差点で躍る広告群や新宿の裸眼3Dビジョンに代表される、街に溢れるデジタルサイネージは、かつてSFとして眺めた情報の洪水そのものだ。ビルはもはや壁ではなく、私たちの欲望を映し出す巨大な鏡と化した。

本作が問うた「本物と偽物の境界」は、広告イメージと現実の私たちとの間に横たわる。これは単なる未来予測ではない。情報が氾濫する現代に「自分とは何か」を問いかけるための、哲学の書なのだ。(レビュアー:sanjrow)

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『PSYCHO-PASS』

「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」Blu-ray(特典Blu-ray付2枚組)(法人特典なし) [Blu-ray] 引用元: https://amzn.to/3KyzgH7

『PSYCHO-PASS サイコパス』は近未来における、管理社会とそれに対する人々の葛藤に主軸を置いた作品である。あらゆる心理状態や性格傾向が数値化される世界で、人々はシステムに意思決定を委ね、その判断を拠り所に生きていく。

これに近い仕組みが、中国の「芝麻信用(ジーマ信用)」だ。身分・人脈・行動など五つの領域を基に個人の信用度をスコア化し、その数値に応じて与信や金利優遇が行われる。さらに、マッチングサービスや採用活動における参考指標として利用される場面もあるという。

信用を可視化するシステムが基軸にあることで、社会はより効率的でトラブルの少ないものへと変わっていくかもしれない。しかし同時に、生き方そのものが社会に規定されていくことに、どこか息苦しさや違和感を覚える人もいるだろう。

近い未来、そして隣国で実際に動き始めている信用のあり方を手がかりに、わたしたち自身の自由や選択の価値について考えてみるのもよいのではないだろうか。(レビュアー:秋山久人)

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『GANTZ』

GANTZ PERFECT ANSWER 引用元: https://amzn.to/4a0tKaR

マンガ発の国内SF映画といえば『GANTZ』だ。劇中に登場する「GANTZスーツ」は、身体能力を飛躍的に向上させ、仲間を守るためのパワードスーツとして描かれており、また主人公の玄木計が日常生活で溜まった鬱憤を解放する「カタルシスの象徴」でもあった。

現代では介護用パワースーツや、軍事用外骨格として実用化されている。己の強さを他者を傷つけるためではなく、誰かを守るための力として使えるか。著者は主人公の葛藤を通じて、やがてくる未来に問いかけていたのではないだろうか。(レビュアー:清水楓吹樹)

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『パプリカ』

パプリカ [Blu-ray] 引用元: https://amzn.to/446Fgxy

2006年に公開された『パプリカ』。財閥法人精神医療研究所で開発された、他人の夢を共有できる装置DCミニにより、現実と夢の堺が曖昧に。夢探偵パプリカが、精神に異常をきたした人々の夢の中で、事件の原因を探る、という物語です。

映像美はもちろん、現実と夢が多重構造となっており、見ている私たちも錯乱させる非常に魅力的な映画です。この物語は、人の夢に入っていく技術を中心に進んでいきますが、私たちの現実でも、似たような技術が登場してきているように思えます。

幻想的なイメージを実現する画像生成AIを始め、ネズミの脳で絵を描く技術人の思考を文章化する技術、さらに睡眠中の脳活動から夢の内容の解読も可能になり始めています。

まさに”夢”のような話ですが、どうか私たちの夢が犯されないことを願うばかりです。(レビュアー:沈瀾)

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いかがだったでしょうか?このコラムでは引き続き「知財ハンター」のメンバーがオススメするモノ・コトを定期的に紹介していきます。自分もオススメを共有したい!新しい技術やトレンドについて交流したい!と感じた方は、まずは「知財ハンター協会」のDiscordコミュニティに気軽に参加してみてください。

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