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2025.03.11
レポート | 体験レポート
「リアル×デジタル」で購買体験の拡張─生成AIとバーチャルプロダクション技術による“想像の可視化”【Sleep Well Dream Big】

NTT東日本およびNTT DXパートナーがビックカメラと連携し、バーチャルプロダクション技術と生成AIを活用した体験コンテンツ「Sleep Well Dream Big」が2025年2月19日(水)から3月20日(木)までビックカメラ新宿西口店3F特設ブースで実施中。本記事では、知財ハンターによる現地レポート、さらにクリエイティブの担当者に企画背景を伺った内容をお届けする。
企画背景
家電量販店のイメージが強いビックカメラだが、実は寝具の取り扱いが豊富なことはご存じだろうか。2024年10月に新宿西口店に開設された「Bic Sleep Well」という睡眠専門コーナーは、快適な睡眠をサポートするための睡眠関連商品が取り揃えられており、来店する顧客に対して睡眠環境の改善を提案している。
また、ビックカメラとそのグループの寝具専門店「生毛(うもう)工房」が、NTT東日本が運営する睡眠課題解消を目的とした企業間コミュニティ「ZAKONE」に加入し、睡眠の質向上を目指した取り組みを本格化。今回の体験コンテンツ「Sleep Well Dream Big」は、同社の睡眠改善への貢献の一環として位置付けられている。
「寝具のお試し」をコンセプチュアルに表現
本コンテンツは、ねむりの専門コーナー「Bic Sleep Well」で取り扱っている寝具をはじめとする睡眠関連製品を体験しながら、美しい非日常風景と合成された映像を来場者にプレゼントするというもの。
特設ブースに設置されたカメラによる自動映像撮影と、生成AIで事前に作成された美しい非日常風景をリアルタイムで合成し、ショート動画を自由に作成できる仕組みだ。 さらに、「良い睡眠は最高の夢の旅へのチケット」というコンセプトに基づき、寝具販売をコンセプチュアルに表現することで、製品そのものの魅力だけでなく、睡眠の価値とその体験を強調している。
リアルタイムで合成されている様子
実際に作成された映像
コメント(企画担当:Konel・佐藤隆聖さん)
「Sleep Well Dream Big」企画を担当したKonelの佐藤隆聖さんに今回の着想について伺った。
Q.アイデア: 「Sleep Well Dream Big」の着想について教えてください。
「普段、寝具が展示されたショールームはよく見かけますが、実際に試してみるには心理的なハードルがあることが多いんです。『買いたい』という気持ちが高まるタイミングでなければ、なかなか足を踏み入れづらい。そこで、製品を体験型コンテンツの中に配置することで、自然な形で製品を認知してもらい、実際に使った際の快適さを体感していただこうと思いました。楽しみながら製品の魅力を伝えることができるのが、この企画の大きな強みだと考えています。」
Q.コピーライティング:「良い睡眠は最高の夢の旅へのチケット」というコピーについて、どのような意図が込められているのでしょうか?
「睡眠は人生の中で絶対的な休息の時間です。その睡眠を“夢の旅”へと誘うチケットに見立てることで、ただの“休息”としてではなく、よりポジティブで楽しさを感じてもらえる体験にしたかったんです。寝具を体験していただきながら、非日常的な映像を楽しむことで、より一層睡眠の大切さや魅力を感じてもらえると思っています。」
コメント(クリエイティブディレクター・手塚芳子さん)
さらに、今回のデザイン・生成AIの実装を担当したクリエイティブディレクターの手塚芳子さんにコメントをもらった。
Q.コンセプト:来場者が寝具を体験しながら美しい風景と合成された映像を楽しむというアイデアは、どのようにして生まれたのでしょうか?
「AI生成映像と寝具を体験できるという二つのテーマをいただいたとき、普段は行けないような場所に瞬時にたくさん行くという擬似体験を作りたいと思いました。その景色が次々と変わる様子が、まさに夢の中のようだと感じ、このコンセプトやコピー組み上がっていきました。」
Q.クリエイティブ:バーチャルプロダクション技術と生成AIを活用した今回の体験展示で、特に工夫された点や技術的な挑戦について教えてください。
「生成AIは非常に高精度ですが、プロンプトにより得られる結果や複数の生成時における統一感には限界があると感じました。そこで、それを逆手に取って、AIが生成した映像に合わせて不足している部分を補い、自然な光や角度を合わせていきました。AI-drivenなプロダクションでしたね。」
Q.デザイン:『非日常空間で眠る風景』というテーマの設定と、そのデザインコンセプトに込めた思いについてお聞かせください。
「非日常体験として面白がってもらえるように、Instagram Reelの旅動画のようなイメージでつくりました。」
Q.演出方法:展示で使用された生成AIは、どのようにして非日常的な風景を作成し、来場者の映像と合成していますか?
「AIで生成した風景画像の中から最適なものを選び、さらに別のAIでそれを自然な風景動画に変換します。それを事前にグリーンバックで撮影した寝具の背景と組み合わせ、ビデオエディターが手作業で調整を加えました。最終的に、リアルタイムで生成された映像と手前の映像が合成され、ランダムに変化する仕組みを作り上げました。」
Q.想い:この体験展示を通じて、来場者にどのような新しい製品利用体験や価値を提供したいと考えていますか?
「自分も一消費者として、私たちが特定の企業の広告やキャンペーンに参加するのかどうかは社会的にもかなり敏感になっている空気を感じます。使う人や試す人の楽しさや課題解決が第一にあり、それがたまたま広告だった、といった、常に体験ファーストであることを願います。」
「リアル×デジタル」による購買体験の拡張可能性
近年、生成AIやバーチャルプロダクションを活かした体験広告は増えてきている。そんな中、普遍的なコンセプトから着想し、生成AIと人力のデザインを補いあっているため、単にAIを活用しただけではない読後感があった。
この新たな購買体験は、2024年10月23日からビックカメラ新宿西口店3Fの「Bic Sleep Well」にて実施中。リアルとデジタルを組み合わせた新たな購買体験は、寝具や睡眠関連商品以外にも、リアルな店舗での新たな展開の可能性を感じさせた。限られた期間の展示なので、この機会にぜひ足を運んで体感してほしい。
「Sleep Well Dream Big」 開催概要
日時:2025年2月19日(水)〜3月20日(木)
会場:ビックカメラ新宿西口店 3F特設ブース 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目5−1 2F~6F 新宿西口
[電車でお越しの場合] 新宿駅西口 西口・B16出口
[車でお越しの場合] 新宿駅西口駐車場
体験:無料
Top Image : Photo by Yusuke Maekawa