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2023.05.07

レポート | 42LABEL

【42 LABEL】人気NFTクリエイターが語る NFTクリエイティブのヒント

Meta

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「42LABEL」とは

meta × cryptexが主催する、初心者クリエイター向けにNFTを「知る」「持つ」「作る」という3つのステップに分けて全6回、年2回実施するワークショップ形式のイベント。NFTを制作する方法、コミュニティを盛り上げる方法などクリエイターが新たなスキルを学ぶことを目的としています。

metaがクリエイターの活動を後押しするための新たな拠点として2023年3月に運営を開始した渋谷109の8階にある「クリエイターコラボレーションスペース」で開催されました。

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まず始めにcryptex事業責任者yayopii氏(写真左)とcryptexプロデューサーのasami氏(写真右)が「NFTとは何か、クリエイターのNFT活用事例」など基礎的な部分を話してくれました。

次にRusher氏、SHIBACHAN氏による「ファンコミュニティの作り方」をテーマに、事前にクリエイターから質問を募ったQ&A形式のトークセッションが行われました。

Rusher
株式会社1SEC、NFTコレクション「MetaSamurai」クリエイティブ・ディレクター。アバターコレクションとバーチャルスニーカーの2つを運営。ハイブランド「COACH」、人気アニメ「ルパン三世」など幅広い業界とコラボを実現している。

SHIBACHAN
NFTコレクション「What's UP John!」ファウンダー。2010年にイラストレーターのフリーランスとして独立し、お茶漬けのCMでおなじみ永谷園のキャラクターデザインなどを担当。2019年にオリジナルキャラクター「スケータージョン」を作成し、キャラクタービジネスに舵を切り、2021年にNFT界に進出。

Q.キャラクターデザインはなぜ犬にしたのでしょうか

Rusher:今後メタバースやバーチャルワールドに進出する際に自分ではなく、自分の相棒がバーチャルの世界に入っていくという世界観を作りたくて犬を選びました。世界観を作る中で大事にしていることは「カオス感」。NFTではグローバル化がとても早いので東京が持つカオス感をうまく取り入れたいと考えています。
例えば渋谷のPARCO。地下1階に飲食店、1、2階にアパレルショップ、上階にはアートなどがあり、サブカルチャー同士がミックスされて新しいシナジーが生まれています。私たちもそのような世界観を目指していますね。

SHIBACHAN:メジャーリーグでは場外ホームランを打つと外で待機している人がカヌーでボールを取りに行く人がいるんですが、その方々の来るかもわからないボールを待ち、全力で取りに行くという自由な姿を見て、当時家でひたすらイラストを描いていた私は「こういう自由な姿をイラストで表現したい」と思い、自分の中で自由なイメージがあった犬と服装にしました。

4/16cryptexイベント_03 トークセッションに登壇するSHIBACHAN氏(写真左)とRusher氏(写真右)

Q.どのような方々とコラボを実施してきたのでしょうか。また、相手はNFTプロジェクトのどんなところを魅力に感じてコラボを決定したのでしょうか

Rusher:コミュニティの熱量。ここが1番評価されたのではないかと思います。相手側もNFT界で強力なコミュニティを形成していきたいという思いが強かったです。
その上でクリエイティブ力、自分達の世界観なども相まって評価されたのではないかと思います。

SHIBACHAN:キャラクターのデザイン力や可愛さが評価されてコラボ依頼をされたのではないかと思います。私の場合、海外の方とコラボを実施することが多いのですが、全てinstagramのDMから連絡が来ています。海外向けに英語で発信したりしているのでそれが功を奏しました。

Q.どのようにファンコミュニティを作っていますか

SHIBACHAN:前提としてNFTとコミュニティはとても相性が良いんです。NFTの価格が毎日上下するので所有者に応援してもらいやすいんですよね。
私達のコミュニティ内で施策として行っているのは「友達ホイホイ」という名前のキーホルダーを販売しています。そして、「自分の他にキーホルダーを所有している人を見つけたら話しかけなければいけない」というルールを作ったんです。NFT界ではフィジカルのイベントが多く開催されていますが、1人で行くには勇気が必要なのでイベント内で友達を作れるようにこのルールを作りました。そういったお金では得られない価値を提供できればファンコミュニティを作りやすいのではないかと思います。

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Q.よりNFTが身近になるために必要なことはどんなことがあると思いますか

SHIBACHAN:「NFTは稼げる」というイメージをなくす必要があると思っています。「稼げる」などのワードはとても怪しく聞こえちゃうんですよね。そうではなく、新しい出会いを増やす、仲間を増やすなど切り口を変えて多様性を出していくほうが良いと思いますね。
例えば、やよぴさんのNFTプロジェクト「PORT」では「旅行がお得になる」という特典があるため、一般の方も興味を持ちやすいですよね。そういった入り口を増やすのが大事だと思います。

Rusher:メタバース、ゲーム、アニメなど色んな分野の方々と話ができるというのがNFT界の強みでもあると思うのでそういった方々と知り合いになっていくのが良いと思います。

Q.これからNFTクリエイターを目指す人に何かアドバイスをお願いします

Rusher:リサーチを始めた方が良いと思います。テクノロジー技術は凄まじいスピードで進化していて、都度トレンドも変化するので毎週追いかけてインプットしていき、効率よくアウトプットする必要があると思います。
私は毎朝Twitterを見て情報を追ったり、チームでも情報交換を行っています。「こういう技術がきている」「このサービスがきている」など話し合う場を意識的に作っています。チームとして動いているとこういったナレッジを貯めていけるのでメリットが多いですね。

SHIBACHAN:先にリリースされたプロジェクトの動向を見て自分のプロジェクトの方向性を決めていくのは良いかなと思います。具体的にいうと、私は注目されているプロジェクトの価格の値動きをひたすら見ています。関連した情報が出るたびに値動きを見て観察していますね。長期的に観察するとどういう情報が価格に影響しているかが判明したりします。
NFTには正解がないので先駆者の方々のやり方を研究して自分なりの形を見つけていくというのは大事だと思います。

Q.活動をされている中でご苦労された点、また、しくじりポイントがあれば教えてください

SHIBACHAN:私は納期に間に合わせるというのが苦手でジェネラティブコレクションの納品が間に合わないことがありました。どうしようもなかったのでコレクションに*リビール機能を追加してリビール日までの日数でなんとか納品したということがありましたね。コミュニティの方々にはコレクションの内容発表が延期という形になったのですが、その際にクレームは出なかったです。理由としては、コミュニティに対して誠実に向き合ってきたこと、投機目的など変な人をコミュニティに入れなかったことが大きな要因だと思っています。

*リビール機能=自分のところに作品がきても中身がわからないようにしておき、リビール日に全て公表される仕組み。

Rusher:私も完全に納期ですね(笑)コンセプトを考えて3Dに落とし込むなど制作プロセスが多い時期や一気に複数のプロジェクトを兼任している時などは「自分はどのプロジェクトを作っているんだっけ」と頭がパニックになって納品日が迫ってしまう状態になっちゃいますね。

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Q.Z世代や女性がNFTに参入するために必要なことは何でしょうか

SHIBACHAN:NFTに参入するうえで1番難しいのは「NFTを入れておくウォレットを持つ」ことだと思います。ウォレットとなるメタマスクを作成してからイーサリアムを入金してやっとNFTを購入できる状態になるのでここを解決する必要があると思います。
私が考えているのは「クレジットカードでNFTを購入できるようにする」ということですね。普通の商品と同じでクレジットカードで購入できるようにすれば参入のハードルがかなり下がると思います。

Rusher:やはり多様性を持つこととコミュニティ作りが重要になると思います。「NFT」というワードが先行しているのでNFTということはあまり公表せず、小難しさを出さずにコミュニティを作っていくというのも1つの手かなと思います。

Q.もし、今から新しいNFTプロジェクトをスタートするとしたら挑戦したいことはありますか

SHIBACHAN:先程の話でも出たとおり、「旅行が安くなる」などの違う切り口から入ってNFTを始めようかというスタンスがいいと思います。例えば、自身がケーキ屋ならケーキ×NFTという形で「NFTを持っていたらケーキが安く買える」などのアプローチを考えてみるのも良いと思います。

Q.NFTプロジェクトにおいて価格以外に評価するポイントなどはありますでしょうか

Rusher:デザイン力とコミュニティの熱量ですね。コミュニティ内でのチャットの量などが少ないとプロジェクトの勢いがなくなったときに盛り上げていく未来性がイメージしにくかったりするのでそこは見ていますね。

SHIBACHAN:NFT以外にも仕掛けている施策があるかどうかですね。私のコレクションだとフィジカルグッズの展開やコラボの実施など色々準備をしているので万が一、NFTの市場自体が冷え切ったとしてもしぶとく生き残れると踏んでいます。そういった施策をしているかどうかが大事だと思います。

参加者の声

前回より多い約50名の方が参加しており、皆さん熱心にメモをとって積極的に質問をしていました。また、海外のクリエイターや画家、国内で知名度がある方も見受けられました。フリータイムでは途中退席もなく、ほぼ全ての方が登壇者や来場者同士で交流を図っていました。イベント終了後、参加者の方に感想を聞いたところ、「これからプロジェクトを立ち上げようと思っていたので参考にするポイントが多かった」「今後のやるべきことが明確になった」などプラスにつながった声が多く、とても有意義なイベントになった様子が伺えました。

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まとめ

コラボレーションする上での1つの評価軸として「コミュニティの熱量」が挙げられるようですね。NFTに参入する方法として「幅広い分野の友達を作る」「特定のサービスが安くなる」など多様性を持つことが今後の鍵になっていきそうです。今後NFTクリエイターを目指す人はリサーチなどの下準備を怠らず行うことが成功させることに繋がりそうです。

「42LABEL」イベント限定NFTを配布

クリエイターの方にNFTを身近に感じてもらうために、イベントに来場してくれた方のみGETできる、42LABEL限定NFTが配布されました。次回のイベントでも配布予定とのことです。

次回イベントについて

5月より「42LABEL」web3クリエイターワークショッププログラムがスタートいたします。

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記念すべきプロジェクト1回目はNFTクリエイターヨシオカ氏とcrypto bears(semashi) collection founder しもんずげーと氏をゲストにお迎えして開催します。

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参加者は抽選で決定されるのでぜひ抽選に参加してみてはいかがでしょうか?新たな発見につながると思いますので、当選された方はぜひ渋谷109にお越しください。

応募締切:2023年4月31(日)23:00まで

「42LABEL」web3クリエイターワークショッププログラム応募URL

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