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2022.10.18

レポート

知財ハンターが注目する「CEATEC AWARD 2022」受賞テック5選

シーテック

最新テクノロジーが一堂に会する展示イベント「CEATEC 2022」のリアルイベントが千葉・幕張メッセで10月18日よりスタート。合わせて、「CEATEC AWARD 2022」が今年も開催されました。

CEATEC AWARDは、本年で12回目を迎え、CEATEC 2022に展示される技術・製品・サービス等の中から、出展者が事前に応募した出展品・案件について、「CEATEC AWARD 2022 審査委員会」が学術的・技術的観点、市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れていると評価できるものを審査・選考し、表彰するものです。

応募された数多くのイノベーティブな技術から、「総務大臣賞」「経済産業大臣賞」をはじめとした各部門の受賞テクノロジーが発表されました。本レポートでは、受賞した中で知財ハンターが着目した、世界を進化させるテクノロジーを5つ紹介します。

「CEATEC AWARD2022」受賞結果一覧はこちら

屋内光発電デバイス 『LC-LH』(シャープ株式会社)

◯経済産業大臣賞

【概要】小さな光をエネルギーに変える、高効率の屋内光発電デバイス『LC-LH』を開発しました。ウォッチや電卓などに用いられる一般的な太陽電池に対して約2倍の発電効率を有し、小さな面積でも高い電力が得られます。既存の太陽電池搭載商品を高性能化させるだけではなく、これまで使い捨て電池や電源線を備えていた商品へのLC-LH搭載により、電池交換や配線の手間を省く、便利で環境に優しい商品の創出が可能となります。

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シャープの高効率の屋内光発電デバイス「LC-LH(Liquid and Crystal Light Harvesting)」は、長年に渡り蓄積された液晶ディスプレイの技術を活用して、従来比で約2倍の発電性能を低コスト、高品質で製造可能とするもの。屋内用途と割り切ったことで同社の液晶ディスプレイの工場や設備がそのまま使えるため、大幅なコストダウンが見込めます。用途としては、電子値札やPOP、ビーコンやセンサなどのデバイスが想定されており、電池が不要になることでコストや環境負荷の軽減など、SDGsやSociety5.0の掲げる「リサイクル」「クリーンなエネルギー」「安全な社会」に貢献。 先進的な技術展示にとどまらない、紙の置き換えや使い捨て電池からの脱却、労働者不足や高齢化社会への対応など、様々な社会課題の解決につながる点が高く評価されました。

高精細 空中ディスプレイ(京セラ株式会社)

◯トータルソリューション部門 準グランプリ

【概要】近年、空間へ映像を投影する「空中ディスプレイ」の実証試験が活発に行われていますが、現状では解像度が低いことから操作パネルといった用途が主な利用シーンとなっています。京セラが開発した「高精細空中ディスプレイ」は、独自設計のミラーを使った光学技術により高精細でリアリティのある映像表示が可能で、多彩な映像表現力を持つ非接触操作デバイスとして医療分野や店舗、美術館など様々な用途展開が期待できます。

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新型コロナウィルス感染拡大に際して、不特定多数の人が触る装置への抵抗感が増しているなか、非接触で衛生的な映像操作が可能な空中ディスプレイが注目されています。一方で、結像性能が悪く空中像がぼやけるなど課題もあり、ボタン操作などが主な利用シーンとなっている側面もあります。京セラでは、特殊なミラーを使用して高精細な空中像を結像することを実現。独自設計により、小型で高精細な空中ディスプレイとなりました。 ターゲットとしては医療分野をはじめ、アミューズメント、教育、車載、飲食など多岐にわたる市場への拡大を目指しているとのこと。ミラー形状の最適化により、歪みを抑え小型化に成功した技術的ブレイクスルーと、それによる今後の多用途性が評価されました。

空中表示/入力デバイス「ステルス空中インターフェース」(アルプスアルパイン株式会社)

◯キーテクノロジー部門 準グランプリ

【概要】世界初となる「必要な時のみ、空中に入力インターフェースを出現させて入力操作を実行、実行後は存在を消す」新たなHMIを創出した。本技術によって、壁・テーブル・床等から空中インターフェースを出現させ、不要な時には存在を消す事が可能となりました。非接触で衛生的な操作のみならず、今後進展するデジタル化社会において快適な住空間や公共空間を維持しながら、必要な時にだけ現れる新たなHMIを提供致します。

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アルプスアルパインの「ステルス空中インターフェース」は、手をかざすと操作用のインターフェースが表示され非接触で操作できるデバイス。背景があることで見やすく、広い視野角があることが特徴。必要に応じて表示させることで、環境と一体化し時に行動を誘導するなど、快適な環境と膨大な情報の両立を目指します。空中ディスプレイに「加飾印刷」という、一見ディスプレイと判別がつかないエリアに入力ボタンなどを表示させ、非接触入力を可能とする技術を採用した点が「ステルス」たる所以とのこと。デザイン性を損なわず、非接触操作をより簡単にわかりやすくという、さまざまな場面で活用可能な技術が評価されました。

搬送用自律移動ロボット:Mighty-D3(株式会社Piezo Sonic)

◯スタートアップ&ユニバーシティ部門 グランプリ

【概要】Mighty-D3は、市街地・病院や商業施設内・高層マンション内の非接触・非対面物流を実現するための搬送用自律移動ロボットです。Mighty-D3の走行機構はJAXAの月面探査ロボットの開発で生み出した技術を応用しており、 15cmの段差を乗り越えて走行することが可能です。また、4輪のステアリング機構用モータにはAGV、AMRでは世界で初めて超音波モータを採用しています。

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「Mighty-D3」は、月面探査ロボットなどの開発を機に設立されたPiezo Sonicが、Society 5.0に対応した搬送用AMR(Autonomous Mobile Robot=自律走行搬送ロボット)として開発。重量物の搭載ができ凹凸のある一般の路面の走行が可能なので人の代わりに荷物を持って一緒に行動でき、遠隔地からの操作を可能とする。15cmの段差を乗り越えることができるのが特徴で、他社製品と比較してもコンパクトで走破性能が高いとされています。物流・サービスロボット市場が急激に伸びると予想されている中で、遠隔操作するロボットオペレーターという雇用創出につながる期待も。配達などの物流用途以外にも、道や施設の案内、見守りなど応用も容易という将来性を含めて高く評価されました。

「WHOLE EARTH CUBE」自律分散型インフラを搭載したサステナブルでレジリエントな次世代の居住空間(北良株式会社/WOTA株式会社/MUSVI株式会社)

◯パートナーズ部門 グランプリ

【概要】自律分散型インフラを搭載した移動可能な居住スペース「WHOLE EARTH CUBE」は、電気、上下水道などの既存インフラを必要とせず、自ら太陽光で発電し、雨水から得た水を循環再生し生活用水、トイレを継続的に使用できる完全オフグリッド型モジュール。サステナビリティとレジリエンスを両立し、地方や山間部などインフラのない場所や大規模災害、紛争などで都市機能を喪失した場所でも快適で安全な生活を実現する。

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北良は、岩手県でさまざまなガスの製造販売、発電、エネルギー販売を展開している企業。東日本大震災にて、被災した医療機関と在宅患者の支援、DMATへの電力供給をきっかけに、その後の災害現場での感染症防止などの被災者支援を行っています。「WHOLE EARTH CUBE」は、電力や上下水、ガスなどのインフラを搭載し、患者とその家族を収容し生活できる移動可能な避難所として開発。循環再生型の上下水システムや太陽光、LPG発電などを備え、ISO40ftコンテナ規格により既存の物流での輸送を可能としています。人工呼吸器など在宅医療を受ける患者が必要とする機器を全て使っても、患者と家族が必要なインフラが供給できるよう実証実験が進められており、オフグリッド住宅などの応用も進められているとのこと。災害対策だけでなく、Society5.0における社会課題を解決するキーデバイスとしての役割も高く評価されました。

以上、知財ハンターが注目した「CEATEC AWARD 2022」受賞テクノロジーでした。CEATEC2022は10月21日まで幕張メッセで開催、先端テクノロジーの潮流にぜひ触れてみてはいかがでしょうか。

CEATEC AWARD 2022 結果発表
CEATECH 公式HP

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