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2021.07.05
レポート | 体験レポート
Sony Park展でPlayStationの変遷を体験してみた
ソニーグループ 株式会社
2024年のフルリニューアルを前に、今年秋から休業に入るGinza Sony Park。これまでアート・映画・⾷・テクノロジーなど多分野にわたるパートナーとともに実験的な展示を繰り返してきた同施設で最後の企画展が『Sony Park展』です。6つのテーマで約3ヶ月にわたる企画の第一弾「ゲームは、社交場だ。/ with 岡崎体育」を、知財ハンターがレポートします。
■Sonyらしい切り口の企画
Sonyと言えば、家電メーカーでありながらゲーム、⾳楽、ファイナンス、映画、半導体、エレクトロニクスと、幅広い分野で独自の商品やサービスを提供する日本を代表する企業。そのノウハウをもとに、実験的で世の中に新たな視点を投げかけるような企画を続けてきた施設が「Ginza Sony Park」です。
筆者も過去に何度か訪れているこの場所。今回は現在Sonyが取り組む各分野に「社交場」「旅」などの6つのテーマ&アーティストと掛け合わせた展示がされるとのことで、「これは知財やアイディアの宝庫かも・・・!」とアンテナが立ちました。タイトルを見るだけでもワクワクします。詳しくはこちらから。(事前予約制)
① ゲームは、社交場だ。/ with 岡崎体育
日程:2021年6月26日(土)~7月7日(水)
② 音楽は、旅だ。/ with 奥田民生
日程:2021年7月13日(火)~7月24日(土)
③ ファイナンスは、詩だ。/ with 東京スカパラダイスオーケストラ
日程:2021年7月30日(金)~8月10日(火)
④ 映画は、森だ。/ with millennium parade
日程:2021年8月16日(月)~8月27日(金)
⑤ 半導体は、SFだ。/ with YOASOBI
日程:2021年9月2日(木)~9月13日(月)
⑥ エレクトロニクスは、ストリートだ。/ with Creepy Nuts
日程:2021年9月19日(日)~9月30日(木)
■ゲームをしない知財ハンターによるゲームレポート
このうち今回私たちが潜入したのは「ゲームは、社交場だ。/ with 岡崎体育」という、Sonyの(そして日本の)代表的ゲーム機であるPlayStation®をフィーチャーした企画。
ゲームは、この世に存在しえない空想さえも能動的に体験できる唯一無二のエンタテインメントであり、ゲームを通して人と繋がり、時間を共有することができます。そんな存在であるゲームは、初めての人もそうでない人も気軽に打ち解けあうことができる出会いの場「社交場」のようだと、Ginza Sony Parkは考え、「ゲームは、社交場だ。」というテーマを掲げました。(Sony Park展ウェブサイトより)
というコンセプトのもと、初代から最新機であるPlayStation®5までのゲーム機などを、自身も大のゲーム好きである岡崎体育氏のセレクトしたソフトで楽しめる、という内容でした。
しかし筆者、普段ゲームはまったくと言うほどやらないタイプ(!)。そんな私でも楽しめるのか?!と半信半疑な面もありつつ、スタッフさんの「どの機種を試してみますか?」の声かけに、今は懐かしい初代PlayStation®を選択。
プレイしたのは「クラッシュバンディクー」。ブラウン管テレビにちょっと粗い画質、シンプルな操作にノスタルジーを感じます。(そして丁寧な解説のおかげでゲーム初心者でも十分理解できました!)
そして同行した知財ハンター・加藤がこのあとにプレイしたPlayStation®5との差は驚くほど。画質や色彩の鮮やかさ・立体感等の表現の向上はもちろん、動きに合わせて振動するコントローラー、生き生きと動き回るキャラクターのリアルさなどなど、初代と比較するからこそ際立ってわかるものです。1994年の初代発売から約30年の間のゲーム機の大きな進化を目の当たりにしました。
会場では歴代のコントローラーが並べられていたり、PlayStation®の豆知識や岡崎体育氏の解説が聴ける動画リンクが随所に配置されたりと、展示にも工夫があります。豆知識のひとつには、「PlayStation®は史上もっとも売れた家庭用ビデオゲームブランドとしてギネス記録を持っている」という情報も。いかにPlayStation®が歴史的なゲーム機だったのかがわかります。欲を言えばもう一歩歴史に踏み込んで、製品化に至るまでのモックアップや、お蔵入りいになった案、デザイン意匠が決まるまでのプロセスなどというところまで展示されていたら、さらにテンションが上がりそうです。Sonyさん、次回はぜひお願いします!
■聴覚にフォーカスしたゲーム「AUDIO GAME CENTER」が興味深い
さて、今回もう一つ興味深かったのが、同時開催されていた「AUDIO GAME CENTER」でした。これは映像などのビジュアルがなくても楽しめる"音だけのゲームセンター"で、音で楽しむアクションゲームやレーシングゲーム、の360立体音響技術群を活用した新作ホラーゲームがプレイできます。
この中から私たちが体験したのは、音だけのレーシングゲーム。ヘッドホンから聞こえてくる音楽と走行音を頼りにハンドルを切るゲームで、視覚がない状態でプレイするのはなかなか新鮮な体験でした。
ひとの感覚器官のひとつである「聴覚」を研ぎ澄ますことで、知覚や空間についての新たな認識をもたらすと同時に、音から広がる世界を想像しプレイするする、新しいゲーム体験をお楽しみください。(AUDIO GAME CENTERウェブサイトより)
とあるように、進化するゲーム分野で新たなキーワードになってくるのはもしかしたら“聴覚”かもしれないと感じました。
■全体所感
Sonyだからこその多岐にわたる分野を、少し意外なテーマと絡めながら再構築・提案するのはさすがだと感じました。一方で「知財図鑑」としては、日本を代表する知財である“家庭用ゲーム機”についての技術的な解説や変遷、さらにはPlayStation®が未来に向けてどんなビジョンを描いているのか等ももっと詳しく知りたかったという思いも少々。
企画展は今後も興味深いテーマで続くので、ぜひ再訪してみたいと思います!
イベント詳細はこちら
文:知財ハンター/丑田美奈子
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