ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズとクリエイター集団 Konelは、ゴム人工筋肉を用いたやわらかいロボット「Morph（モーフ）」を核とする都市の無目的室「Morph inn」（モーフ イン）を、2024年5月17日（金）～25日（土）に東京・表参道で開業した。

「Morph」とは、象の呼吸、空を飛ぶ鳥の翼、潮の満ち引き、生物の胎動など、自然界の様々な“生”の動きがインストールされたロボット。独自開発されたアルゴリズムにより、映像から抽出されたモーションデータをゴム人工筋肉の動きへと収録・再生しているという。

今回表参道でスタートした体験展示「Morph inn」は、人間大の「Morph」の上に来場者が実際に横たわり、さらに布団のように小型の「Morph」を抱きかかえることで、やわらかいロボットに自らをゆだね・ゆだねられる時間を過ごすことができる実証イベントだ。

都市の無目的室《Morph inn》開催概要
会期：2024年5月17日（金）〜5月25日（土）
開場時間：11:00〜19:00　
会場：seeen 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前４丁目13-12（表参道駅A2出口から徒歩3分）

※Morph innの営業時間は11:00〜19:00です。いつでもご来店ください。体験は予約者が優先ですが、状況に応じてご案内いたします。体験が満枠の場合でも、ご見学いただけます。
※14:00〜15:00はメンテナンス時間のため閉館しております。
公式予約フォーム：https://airrsv.net/morphinn/calendar

表参道に出現した、謎の「無目的室」とは？

「Morph inn」の実証会場となる、表参道「seeen」。エントランスに描かれたロゴが目印。

今回の「Morph inn」は15分のサイクルで入れ替えを行う、予約制の体験イベントとなっている（公式予約フォームはこちら）。まず会場となる「seeen」を訪れ受付を済ますと１F待合スペースへと案内。待合スペースではMorphのコンセプトムービーが流れるほか、映像から生物の動きをトラッキングしデータへと変換する、「Morph」のセンシングシステムの一部を擬似的に体験することができる。

今回の「Morph inn」では、数十類の生物・自然現象のデータから開発チームが厳選したモーションがさながらDJのようにサンプリングされ、ロボットへインストールされているという。

時間になると、体験者は地下のメインスペースへと案内される。入ると、２組の「Morph」が生命の胎動を連想させられる暖色の空間に鎮座し、リラクゼーションを誘うアンビエントなサウンドが静かに響いている。

都市の無目的室「Morph inn」 メインスペース

スタッフに導かれ、いよいよ「Morph」の中へと身をゆだねる。大きな「Morph」の上に横たわり、小さな「Morph」を抱きかかえ、約５分間の体験がスタート。

体の上の「Morph」は、自らの身を寄せるように、時に優しく抱きつくように体験者の体を左右から刺激する。背中で感じる「Morph」はまるで大型生物の腹上で眠っているような、大海原で揺られているような、不思議な安心感とリラックス効果を与えてくれる。

「Morph」の動きは血管のように伸びた大小の管を通して送られる空気圧によって制御されており、時折漏れ出る空気の音がまるで生物の「息遣い」のようだ。

ロボットでもあり、生物のようでもある。ちょうどその中間に存在するような、今までに触れたことがない対象にその身を預けるという、新時代の「ととのい」ともいうべきウェルビーイングがこの「Morph inn」では提供される。

目的や思考から解放され、ただただやわらかいロボットと人が共存するプロダクトの実施背景として、プロジェクトチームは以下のように語っている。

ソーシャルメディアが生活インフラとなり、サービスに夢中になるあまり、他人の存在に意識を傾けすぎ、自分のための時間や意識がおろそかになってしまいやすい昨今。（中略）人々の生活には、立場や状況を気にせず、ありのままの自分を、簡単にさらけ出せる環境が不足していると考えられます。しかし、人を相手に素をさらけだしていくことは、近しい間柄であっても簡単なことではありません。こういった課題意識から生まれたのが、やわらかいロボット「Morph」です。（プレスリリースより）

ソフトロボティクスの未来に向けた共創型プロジェクト

チューブとスリーブの2層構造となっている「ゴム人工筋肉」の基本構造。

「Morph」のコア技術には、ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズのゴム人工筋肉が用いられている。

「ソフトロボティクス」とは、柔軟性のある素材と高度な制御システムを掛け合わせ、繊細かつしなやかな動きの実現を目指す分野のこと。

タイヤ・ゴム業界を長年に渡り牽引してきたブリヂストンは、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したゴム人工筋肉を用いて、ヒトとロボットの協働する“やわらかな未来”の実現に向け、幅広いパートナーとの共創をベースにソフトロボティクスの社会実装を目指しているという。

ソフトロボティクスのさらなる発展とオープンコミュニケーションを生み出すことを目指しているこのプロジェクトは、パートナーシップの拡張を積極的に呼びかけている。

企画とクリエイティブを担当したKonelの他、「Morph」の土台の人工皮革となる素材「Ultrasuede®（ウルトラスエード）」を提供した東レ株式会社、センシング・データサイエンスで技術提供した株式会社Tengun-labelなど、すでに複数の参画パートナーが共創している。

「Morph」のシステムや実機は横展開が可能なため、実証フィールド・展示機会・プロジェクトへの寄付・投資など、幅広いコラボレーションを歓迎しているという。オフィスやリラクゼーション施設への導入、特殊な空間や屋外での活用など、様々な応用が考えられそうだ。

プロジェクトの皮切りとして位置付けられる今回の体験展示は5月25日（土曜日）まで。ソフトロボティクスの未来に向けて始まった、やわらかな胎動を体感しに訪れてみてはいかがだろうか。

都市の無目的室《Morph inn》開催概要

Morph innの営業時間は11:00〜19:00です。いつでもご来店ください。体験は予約者が優先ですが、状況に応じてご案内いたします。体験が満枠の場合でも、ご見学いただけます。※14:00〜15:00はメンテナンス時間のため閉館しております。

公式予約フォーム：https://airrsv.net/morphinn/calendar
トレイラームービー：https://vimeo.com/935210360/2e1a543fd8
会期：2024年5月17日（金）〜5月25日（土）
開場時間：11:00〜19:00　
※Morphの体験は、17:45までとなります。　　
※14:00-15:00の１時間は、メンテナンスのため閉場予定です。
※18:00-19:00の１時間は、全てのフロアを見学いただけます。
※メンテナンス時間は状況により変動する場合があります。（最新情報はXにて発信いたします。）
会場：seeen 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前４丁目13-12（表参道駅A2出口から徒歩3分）公式X（旧Twitter）：@Morph__inn（https://twitter.com/Morph__inn）

※Morphの体験には予約が必要です。
※１Fへの入場のみの場合は予約不要です。

本プロジェクトでは、ソフトロボティクスの分野のさらなる発展や未来に関するオープンコミュニケーションを生み出すことを目指しております。きたる将来に向けてバックキャストで活動を推進すべく、プロジェクトへの協賛、協力を受け付けております。関心を持たれる方は、下記メールアドレスまでご連絡下さい。

第一次募集期間：2024年4月23日（火）～2024年6月28日（金）まで
問い合わせ：softrobotics.bs.tsg.bsj@bridgestone.com