No.103

2020.02.14

ゴミ問題の救世主、プラスチックを食べる細菌

細菌によりPETを分解する研究

pet

概要

この知財は、PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を分解する酵素(PETase)の研究である。ペットボトルや衣服等の素材として世界中で利用されるPETの分解処理問題を、環境負荷が少なくシンプルな操作で可能にする技術として注目されている。広く普及すれば、バイオリサイクル技術への大きな貢献となる。

なにがすごいのか?

  • PETを栄養源として生育する細菌に由来する酵素(PETase)を利用

  • 常温で厚さ0.2ミリのPETを約1カ月で二酸化炭素と水にまで分解

  • 化学処理法と比較してエネルギー消費が小さく環境に優しい

なぜ生まれたのか?

堺市内のペットボトルの処理工場で、京都工芸繊維大の小田耕平教授(現・名誉教授)らが、PETを食べる(=分解する)微生物を発見。発見場所にちなんで「イデオネラ・サカイエンシス」と学名がついた。プラスチック樹脂は需要が急増している一方で、環境中で分解されることなく堆積することが環境問題のひとつとなっているが、この問題を解決する足がかりとして慶應義塾大学および京都工芸繊維大学の研究グループにより研究が進められた。

妄想プロジェクト 妄想プロジェクト

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ポイ捨て奨励スポット

PET素材の分解処理問題が世界中で話題になっているが、一般の人々ができることは、なるべくPETを使用した製品を使わないか、あるいは製品を再利用するため、分別のできるゴミ箱を探して捨てるくらいしか選択肢はないだろう。

そこで、このPETaseの分解技術をゴミ箱として活用できるスポットを作り、公園など公共の場にオブジェのように設置してはどうだろうか? 罪悪感なく“ポイ捨て”ができるうえ、PETゴミが分解されていく様子が見えることで環境問題に対する意識も高まるはずだ。ポイ捨てを奨励することで、むしろその地域全体からPETゴミが減るなど、こうしたスポットの導入が環境改善に一役買うかもしれない。

荒井 亮

妄想家 荒井 亮

妄想家 荒井 亮

妄想画家 其中 カズヒト

妄想画家 其中 カズヒト

なぜできるのか?

PETを分解する酵素(PETase)を活用

PETを栄養源として生育する実在の微生物(イデオネラ・サカイエンシス)に由来しており、廃棄PETによる環境汚染を解決する酵素として注目。

界面活性剤を使うことで分解速度を飛躍的に向上

親水性のPETaseと疎水性のPETの接触を向上させるため、洗剤等に用いられる界面活性剤を添加し、分解速度を100倍以上に向上させることに成功。反応は36時間以上継続が可能で、その時点でPETの厚みが20%薄くなることが実証された。

高効率で地球に優しい分解方法

使用する界面活性剤は0.005%と微量である上、30℃の常温でもPET分解が可能な初めての例であり、効率的でエネルギー消費の少ない手法である。

相性のいい産業分野

製造業・メーカー

お椀にすくった水に大量生産したPETaseを入れ、マイクロプラスチックとの化学反応による析出物の反応量や色の濃さを指標に、PET汚染度を把握する「マイクロプラスチック汚染度まるわかり粉」

環境・エネルギー

生ゴミは堆肥に、ペットボトルは細菌が分解する「ゴミゼロキャンプ場」

住宅・不動産・建築

海に浮かぶプラごみを持っていくと分解してくれるゴミ箱を設置した海の家「ビーチクリーン海の家」

食品・飲料

ペットボトル飲料に細菌培養キットがおまけで付いてくる環境問題啓蒙ドリンク

アート・エンターテインメント

PETでできた作品に細菌を注入することで分解のもたらす色彩の変化を楽しむアート作品や画材「PETaseペンキ」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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