No.197

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2020.10.01 Upload

ウェディングドレスにも使える、世界一細いステンレス繊維の織物

Ultra-fine Stainless Steel Wire Mesh(アサダメッシュ)

Ultra-fine Stainless Steel Wire Mesh(アサダメッシュ)

概要

Ultra-fine Stainless Steel Wire Mesh(アサダメッシュ)は、極細線金属を織って作られた、布のようにしなやかな金属織物。長さ・強さが最適化された、わずか10マイクロメートルの精細なワイヤーが何万本も織り込まれて作られる。主にスクリーン印刷やフィルターに活用され、メッシュの開口率・厚み・強度のコントロールによって、様々な特徴が自在に生み出される。たとえば、折り紙のように折れるもの、光を美しく反射するカーテンのようなもの、生地のように縫製できるものなどである。その汎用性の高さから、アートやファッションといった多様な分野への活用が期待される。

なぜできるのか?

江戸時代から継承されている織り技術

江戸~明治時代にかけて、河内地方(現在の大阪府東部)では河内木綿という綿作が盛んに行われていた。紡績機械の出現や外国綿の輸入により、明治以降河内木綿は徐々に衰退していったが、河内地方に残された「機織り技術」と「木製の手織り織機」を利用して生まれたのが金網産業だった。戦後、急激に発達した金網産業は地場産業として定着し、その繊細な技術を活かして超高精細メッシュに特化し、世界で最も細かいメッシュを次々に開発している。

極細に加工されたワイヤー

直径5ミリの母材が、ダイヤモンドダイスという工具によって10マイクロメートル(髪の毛の約1/6)近くまで細くされる。数マイクロメートルの異物の混入が原因で断線するため、ワイヤーの純度は極限まで高められる必要がある。手作業での緻密な工程も経て、何万本ものワイヤーを使ってメッシュが製網される。このとき、メッシュの開口率を調整することで透明度の調整もできる。

均一な薄さを生むカレンダー加工

タテ糸とヨコ糸で織られる織物は、微小な凸凹を伴う三次元構造をしているが、『カレンダー加工』(熱ロールと樹脂ロールでプレスする加工)を適用すれば、平滑で光沢感のある仕上がりにできる。厚みの細かい調整も可能で、1マイクロメートル単位の精度で、元の半分程度にまで薄くできる。

相性のいい産業分野

資源・マテリアル

日常シーンに鏡を付帯させる「どこでも、なんにでも鏡」 例)光沢感抜群で省スペースな「鏡カーテン」や、ふとした時に見られる服の「袖鏡」

製造業・メーカー

磁力で掛けることで位置がズレない服やテーブルクロス「ノー・ハンガー衣料」

環境・エネルギー

導電インクでコイルパターンを積層して、太陽光発電をする衣服

アート・エンターテインメント

磁力で浮かせたりなびかせたりできるウェディングドレス

ロボティクス

磁力でしなやかになびくアンドロイドの髪

住宅・不動産・建築

街の景観を崩さないフェンスやスクリーン

メディア・コミュニケーション

透明感がありながら表裏で読める文字が異なるディスプレイ広告やインスタレーション「近未来暖簾」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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