No.214
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2021.03.02
手軽に耳から個人を特定する技術
耳音響認証
概要
「耳音響認証」は、人間の耳穴の形状によって決まる音の反射を利用した生体認証技術である。人の耳穴を含めた頭部の空間構造には個人性があることを利用し、イヤホン型の認証デバイスから耳穴方向に送出された検査音の反射から個人の特徴を測定する。本認証技術は、音を聞くだけで任意の場所やタイミングで認証ができることから、マスク・手袋・眼鏡を着用していても利用可能なため、コロナ等の感染症対策とも相性が良い。また、人体の外部ではなく内部の情報を用いるため、他の生体認証技術と比べて悪用されるリスクが低く、生体認証技術の活用性を拡張することが期待されている。
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TELE-NATURE Box | 自然と対話する 「オアシス電話ボックス」
都市に存在する「電話ボックス」をリユースして「自然」相手に電話がかけられる機能がもたらされたら、忙しい未来人が利用するのではなかろうか? 電話をかけると「耳音響認証」によって個人が識別され、その人のコンディションや好みに合わせたスポットが選択される。都市で生活する人でも自然の「声」と対話しているうちに、目まぐるしさから断絶され、気持ちをリセットし俯瞰的な視点を持つことができるだろう。価格は電話とおなじ1分10円程度だが、ダイアル時に取得した個人情報と紐付いているのでもちろんキャッシュレス。
なぜできるのか?
聴覚器官の音響特性を瞬時かつ安定的に測定
マイク一体型イヤホンを用いて、イヤホンのスピーカから数100ミリ秒の音響信号を出力し、耳の中を伝搬した音響信号をマイクで受信する。複数回の受信信号の波形を加算し平均を取る同期加算法を用いて、受信信号に含まれる雑音の影響を排除することで、耳の中の音響特性を瞬時(1秒以内)かつ安定的に測定することができる。
聴覚器官の構造を考慮した特徴量を抽出
一般に音響信号は外耳道から鼓膜に達し、さらに中耳、内耳へと進む。鼓膜の外側、内側の構造により決まる反射成分が重要であることが実験の結果判明。本技術は、これら2種類の信号成分に対応する周波数帯を含む少数の特徴量を抽出することで、少ない計算量での動作が可能となる。
相性のいい産業分野
- 医療・福祉
感染リスクに配慮した生体認証
- 金融・保険
個人識別によるキャッシュレス決済
- IT・通信
本技術を実装したワイヤレスイヤホンによる、スマートフォンの自動ロック解除
- 生活・文化
事故現場や遭難などによる本人確認手段として活用
- メディア・コミュニケーション
必要な相手にのみ音声情報を届けることが可能なデバイス
- アート・エンターテインメント
個人を特定しその人の嗜好にあった音楽を再生