No.224
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2020.12.17
1時間で99%以上の細菌・ウイルスを抑制する材料
抗菌・抗ウイルス材料の実用化技術
概要
本知財は、わずか1時間で99%以上の細菌・ウイルスを抑制する光触媒材料の実用化技術である。従来は困難であった、光が当たらない暗所でも抗菌・抗ウイルス効果が有り、蛍光灯などの可視光照射下ではさらに高い効果を発揮する。高い耐久性を持ち合わせており、持続的な効果が期待できることから医療・福祉施設や公共施設などのシーンでの活用が検討されている。また、塗料やフィルムなど用途に応じた形態で利用できることから、多様な製品・空間に応用可能。新型コロナの流行によりウイルス対策への気運が高まる今日において、ニューノーマルなライフスタイルに欠かせない材料となるかもしれない。
なにがすごいのか?
わずか1時間で99%以上の細菌・ウイルスを抑制
暗所・明所いずれの環境でも効果を発揮
ドライな環境下で実施された実証実験において1年間に亘って有効性を確認
高い耐久性・持続性
薄膜化によるフィルムの高い透明性
なぜ生まれたのか?
この技術は、光触媒の新たな利用方法や応用範囲の拡大を目的として、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」で開発された技術をベースとしている。昨今の衛生面における社会的ニーズの急速な高まりを受け、パナソニック株式会社が、本技術を活用した高い抗菌・抗ウイルス性能を有する材料の開発に成功。試験片上に水溶液を滴下し、その中に含まれる菌・ウイルスの減少率を評価する一般的な評価方法のみならず、空港のカートの手すりや病院の受付カウンターなどのドライな実環境下で実施された実証実験でも有効性を確認するなど、製品化に向けた開発が進められている。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
清潔さが持続する宇宙ステーションライフ
数ヶ月もの期間、閉鎖的な空間で生活することを強いられる宇宙ステーション。搭乗する宇宙飛行士の免疫力は地球上と比べて低下すると言われており、船内は徹底した衛生管理が欠かせない。そこで、本技術によって製造された塗料を用いて船内や日用品をコーティングすることで、微量に存在している細菌やウイルスに備えてはどうだろうか。本技術の抗菌・抗ウイルス効果は持続的であり、メンテナンスを必要としない点もミッションに追われる宇宙飛行士にはありがたいはずだ。また、ドライな宇宙環境でも有効性が担保されている点も特筆すべきメリットだろう。
また、恩恵を受けるのは何も宇宙飛行士だけではない。100年後の未来では大規模な宇宙への移住や、宇宙観光が当たり前となっている可能性も高く、そうなると我々一般の生活者も地球上での細菌やウイルスを宇宙での生活空間へ持ち込まないよう配慮する必要があり、本技術の恩恵を享受することになるだろう。
なぜできるのか?
ハイブリッド抗ウイルス技術
銅化合物と可視光応答型光触媒のハイブリッドによって、暗所・明所いずれでも抗菌・抗ウイルス効果を発揮。これまでの光触媒は、強い紫外光を必要としていたが、本技術により、室内光のようなエネルギーの低い光でも前述のように優れた性能を実現している。暗所では銅化合物によって、明所では可視光に反応した光触媒が生成する活性酸素によって細菌・ウイルスを完全分解する。
ドライな環境下でも有効性を担保
一般的に普及している銀イオン系の抗菌・抗ウイルス技術は、材料が水溶性であるため、水溶液を用いて行われる試験環境とドライな実環境とで有効性に差が出る可能性がある。一方、本技術は不溶性の材料を用いることで、実環境でも人の掌由来の付着菌に対する有効性が確認されるなど、試験環境で評価された有効性が実環境でも担保されている。
新規開発のコーティング材
どんな場所にでも手軽に使える透明のフィルムを開発するため、光触媒粉末を微細化。試行錯誤の末、新しく開発されたコーティング材によって、100nm以下の粒子を塗膜表面にぎっしりと敷き詰め、効率的に光を捉えることを可能にした。また、光触媒の量が多くてもコーティングが十分な強度を保てるよう、材料のつなぎとなる樹脂も工夫されている。
相性のいい産業分野
- 住宅・不動産・建築
本技術を活用した内装により、クリーンな住環境
- 医療・福祉
免疫力が落ちている方が訪れる施設での院内感染リスクを低減
- 官公庁・自治体
図書館や公共交通機関など、不特定多数が利用し、細部のメンテナンスが困難な場所での活用
- 生活・文化
トイレや水回りなどの細菌・ウイルスを可視化し、掃除のタイミングを知らせてくれるウイルスチェッカー
家族でのふれあいが増える抗菌パジャマや、履けば履くほど靴がキレイになる靴下
手洗いのできない幼児に持たせるだけで抗菌・抗ウイルス効果があるオモチャ
- 製造業・メーカー
日常的に使用し、清潔に保つことが求められるプロダクトへの活用(歯ブラシ、生理用品、スポーツ用品、楽器など)
- 食品・飲料
食材を新鮮に保つ食品用保存袋
- 航空・宇宙
医療設備が限られ病気することのできないスペースシャトルでの活用
この知財の情報・出典
・特許5919528号、特許6041169号、特許6347368号等
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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