No.232

2021.01.14

美しい光を放つ、照明用光ファイバー

Fibrance Light-Diffusing Fiber

Fibrance Light-Diffusing Fiber

概要

「Fibrance Light-Diffusing Fiber」は、柔軟性に優れ均一で美しい光を放つ照明用光ファイバー。細くて柔らかいガラス素材によって作られており、均一な光を放ちながら、さまざまな形に曲げたり巻きつけたりすることができる。通常、光ファイバーは光による信号の伝送が目的であり、光を外部に漏らさない構造になっているため、光源としての使用は適さないものであった。一方で、「Fibrance Light-Diffusing Fiber」はあえて光を外部に拡散させながら伝送するよう設計することで、照明器具としての新たな活用法を見出した。さまざまな演出を可能にする光素材として、照明のみならずファッションや建築など幅広い分野での応用が期待されている。

なぜできるのか?

高い柔軟性

極めて高い柔軟性を持つガラス素材によって作られている。芯は石英ガラスとらせん状の空洞領域(ヘリカルボイド)でできている。ヘリカルボイドを調整することで、所望の照明パターンを生じさせることができる。

効率的に光を拡散させる構造

コアと呼ばれる光ファイバーの芯となる部分に、リング状の散乱照準器が散りばめられており、それらは当たった光を進行方向と垂直の向きに飛ばすよう設計されている。そのため、散乱光は光ファイバーの側面で反射や屈折をせず外に拡散される。

光源による色の混合

両端につなげる光源の色や強さを変えることで、グラデーションをともなったさまざまな色合いを表現することができる。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント
  • 普段は目立たないが、夜間に光り視認性を高めることのできる帽子や服

  • 暗闇で繊細な曲線の動きや色の変化をおこなう「変幻自在光アート」

生活・文化

夜間の階段や障害物の位置を把握できるエッジライト

流通・モビリティ

曲線美を活かしたカーライトの設計

医療・福祉

手術器具と融合し、無影灯では見通しの悪い術野にもフィットして照らす灯

この知財の情報・出典