No.298
2022.03.22
プレーヤーの潜在能力を引き出す卓球ロボット
FORPHEUS(フォルフェウス)
概要
「FORPHEUS(フォルフェウス)」とは、機械が人の能力を引き出す「融和」の世界を体現した卓球ロボット。ハードウェアとアルゴリズムの度重なる改良により、卓球経験者との高速ラリーも可能なスキルを獲得。さらに対戦相手の技量に合わせた返球や感情のセンシングに基づくアドバイスを行うことでスキルアップを促す「パーソナルコーチング」を実装している。従来の代替・協業を主目的とした人とロボットの関係性とは異なり、ロボットが人の可能性や能力を拡張し成長を促すことを目的としている。人の心理状態に合わせてモチベーションを高めるAIは、スポーツ分野のみならず社会のさまざまな場面での応用が期待されている。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
極限のグルーヴへ誘う「インプロヴィゼーション・ドラムマシン」
フォルフェウスの、人の感情やテンションをセンシングし成長を促すAIは、即興性が強いJAZZの演奏にも応用できるかもしれない。テナーやベーシストなど、セッションの共演者が演奏するグルーヴやBPMをリアルタイムに感知した「フォルフェウス・ドラム」が、演奏者たちを思いも寄らないビート展開に誘導し、エキサイティングなリズムパターンを構築・提供する。即興で映像を出力するVJとも組み合わせれば生のLIVEはもちろん配信とも相性が良く、視聴者の傾向・要望により演奏をビビットに変化させることもできる。また、センシングする対象を演奏者から観客に移行すれば、シーンや時間帯に最も適したDJプレイをフロアに届けてくれるAIビートメイカーにもなるだろう。
なぜできるのか?
スマッシュにも対応する高速ラリー機能
高速・高精度な画像処理技術とロボット制御技術により、カットやドライブによる回転も計測・制御しスピーディでハイレベルな誤差の少ないラリーが可能。世代ごとにコンセプトを掲げてアップデートを続けている。
対戦者の内面をセンシング
独自の人計測技術を活用し、人の表情、視線、心拍等のバイタルデータをカメラでセンシングし、プレーヤーのスキルレベルや感情をリアルタイムに推定。状況を把握してコントロールするゲームAIの「メタAI」が活用されている。
モチベーションを高めレベルアップに誘うAI
センシングした対戦相手の技能と感情に合わせてAIが成長を促す返球コースを選択。チャレンジが難しすぎて対応しきれていないプレーヤーには易しい球を返し、簡単すぎて退屈しているプレーヤーには厳しい球を返す。プレーヤーをどう動かせばモチベーションが高まるのかを分析しラリー計画に変換、コースや球種・スピードを変化させてプレーヤーの集中状態を導き出す。
ダブルスにも対応
第7世代からはダブルスによる対戦にも対応。6つのカメラで2人の表情、心拍数、瞬き、動きなどを捉え感情を推定し、チームメンバー同士の内面的な共感度と運動の連携度をセンシングする技術を構築した。連携を高めるための最適な返球パターンをAIが導き出し、返球ができる。連携を高めるための最適な返球パターンをAIが導き出し、返球ができる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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