No.301
2021.04.01
香りと言葉の変換システム
KAORIUM(カオリウム)
概要
KAORIUM(カオリウム)は、香りと言葉を相互に変換するAIシステム。データベースとAIを介して、曖昧で捉えにくい香りの印象を言葉で可視化したり、選んだ言葉に紐づく香りを導き出したりすることができる。従来、言語化・可視化が難しかった個人の嗅覚の好みをクリアにすることで、フレグランスの世界にとどまらず、感性教育・飲食体験・購買体験など様々な分野での新しいビジネスチャンスを生み出すことが期待されている。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
「香り」から目的地を選ぶ自動運転ナビ
カオリウムのAIを自動運転のカーナビに実装すれば、求める香りのする場所へ自動で車が送りとどけてくれる未来のドライビング体験ができるかもしれない。さまざまなスポットの季節や時間ごとの特徴的な香りをマッピングすることで「5km圏内の爽やかな新緑を感じられる場所」「2時間以内に着く潮の香りがする街」など、嗅覚から未知の目的地を探す新たなドライブ・スタイルが生まれるだろう。目に見えない「香り」を新たな観光資源とした町おこしやPRキャンペーンを企画することもできそうだ。
実現事例 実現プロジェクト
NOSE SHOP×KAORIUM -超感覚”嗅覚”体験POP UP-
世界中のフレグランスブランドを一堂に集めた香水専門店「NOSE SHOP(ノーズショップ)」の新宿店と銀座店にて2021年4月1日~5月5日の期間中、「KAORIUM」を導入したポップアップを開催。ノーズショップにて取り扱っている個性的なフレグランスが詰まった20本のボトルから好きな香りを選び、感じた香りのイメージに近い言葉を直感的に選択していくことで、一人ひとりの“好きな香り”選びをサポートする。これらの言葉はノーズショップの顧客から抽出した5千件を超える主観データをAIが解析して言語化した。
なぜできるのか?
見えない香りを言葉で可視化
あらかじめ用意された複数の香りのボトルから一つを選びトレーに配置すると、その印象が「すっきり」「透明感」「リラックス」など適した言葉に変換されディスプレイに表示される。自身では捉えにくかった感性表現が言語化され、香りのイメージをクリアに理解した上で比較・選択することができる。
言葉を起点に好みの香りを探索
「まろやか」「爽やか」など、自身が求める香りの言葉を選ぶと、その印象に紐づく香りが複数セレクトされディスプレイに導き出される。選ばれたそれらの香りを嗅ぎ比べ、そこからさらに好みの香りを探していくことで、言葉を手がかりに求めるイメージを詳細に掘り下げていくことができる。
嗜好の傾向をAIが情景として抽出
複数の香りをディスプレイの中心に置くと、それらに共通するキーワードが示される。選んだ香りの傾向が直感的に理解でき、自分の好みがどんな言葉で表現できるかを知ることができる。最終的にセレクトされた香りからAIがユーザーの嗜好を解析し、「新緑のせせらぎ」などより具体的な情景を表したワードを抽出することができる。
相性のいい産業分野
- 教育・人材
香りのチャート化により多様性の理解や表現力を育む授業
- 食品・飲料
達人ソムリエや職人の微細な香りの感覚を言語化したセレクトショップ
- 生活・文化
自身の好きな香りをAIで極限まで突き詰めた、オーダーメイドお香
- アート・エンターテインメント
嗅覚を頼りに攻略していく新しいゲームやテーマパーク
- 旅行・観光
「オランダのチューリップ畑」「インドのガンジス川」など、パッケージした匂いで世界各国の旅情を味わえる「NOSE TRAVEL」
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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