No.318
2021.05.11
皮膚に貼るだけで誰でも血糖値を測れる医療パッチ
マイクロニードルパッチ型センサー
概要
マイクロニードルパッチ型センサーとは、従来の採血用のランセット(皮膚穿刺器具)や注射針のかわりに、皮膚に貼るだけで容易に血糖値を測れるセンサーシステム。医療従事者ではない一般人でも扱うことが可能で、痛みを感じることなく、数分以内に肉眼で血糖値の高低を判断できる。本パッチは使い捨ての使用を想定し開発されており、安価での量産が可能。また将来的には血糖値以外にもコレステロールやホルモン、さまざまなバイオマーカーなども継続的に自分で測定できるようになり、在宅健康診断用の医療パッチへと進化することが期待されている。
なぜできるのか?
多孔質組織のマイクロニードルを採用
マイクロニードル型センサーの計測部となる“マイクロニードル”には、スポンジのようにたくさんの穴が空いており、外部からエネルギーを与えなくても毛細管力で微量の細胞間質液が皮下から採取される仕組みとなっている。採取した細胞間質液を裏面に搭載されている血糖値センサーに送ることで、継続的な測定が可能となる。
痛みを感じない針形状
マイクロニードルは先端直径が2~30μm(マイクロメートル)、長さは0.8mm程度と非常に細長い針形状になっており、皮膚にパッチを貼っても痛みはない。さらに、生体内で溶けるポリマーでできているため、体内に針が残留しても害がない仕様となっている。
血糖値の高低を肉眼で確認できる血糖値センサー
血糖値センサーには、グルコースオキシダーゼとグルコースペルオキシダーゼという2種類の酵素と、染料色素(テトラメチルベンジジン)が組み合わされてる。発色明度の変化を指標として、血糖値の高低を肉眼で容易に測定できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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