No.326

注目の知財

2021.05.20

ロボットが建設する火星の3Dプリントエコホーム

Marsha(マーシャ)

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概要

Marsha(マーシャ)とは、3Dプリンターを利用してロボットが建築を行う火星の居住スペース。宇宙建築のスタートアップAI SpaceFactoryによって開発され、2019年にNASAが実施した火星の住居を建設するためのコンペティションにて優秀作品に選出された。3Dプリンターにデザインデータを記憶させることで、ロボットアームが資源の調達から設計までを行い、30時間以内に無人で建築することができる。火星で入手可能な「火成岩」を原料とした資源を主に利用するため、地球から運ぶ資材が少なくなるだけでなく、使用後は土に還すことも可能となる。宇宙空間のみならず、地上におけるエコロジーな3Dプリント住宅としての応用も期待されている。

実現事例 実現プロジェクト

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Tera(テラ)

Tera(テラ)とは、宇宙建築のスタートアップAI SpaceFactoryによる、火星の居住スペースMarshaの技術を活かした3Dプリント住宅。「持続可能で未来的なエコ生息地」をテーマにニューヨーク郊外の森に建設され、一泊$175-$500で宿泊可能なB&B式の宿泊施設として開放される予定だ。周辺環境から採集したリサイクル可能なバイオポリマーと玄武岩複合材料が使用されており、建物が寿命を迎えるとそのまま土に還して堆肥にすることができる。建築業界における、リサイクル不可能な大量の廃棄物や二酸化炭素の排出量を削減することが期待されている。

なぜできるのか?

3Dプリンターと建設ロボティクスによる完全自動化

Marshaは、3Dプリンターにデザインデータを記憶させ、ロボットアームがアディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリンティング技術による積層造形技術)とソフトウェアの微調整によって一定パターンで動き、素材の層を積み重ねていくことで作られる。ロボット工学から制御アルゴリズム、資源の調達、設計まで無人で行うことができるため、クルーが到着する前に居住環境を準備することが可能となる。

現場で採取した資源による建築

地球から建築資材となる物資を打ち上げる場合、1kgあたり約1,000万円ほどのコストがかかるとされている。Marshaは現地で資源を調達して建設が行われるため、地球から資材を運ぶことと比較してコストを大幅に抑えられる。また、建物の寿命が来た際にはそのまま土に戻すことができるため、環境にも優しく、持続可能な火星での建築が実現できる。

火星の環境に適した耐久性

Marshaの主な材料は、Techmer PMと共同開発した、火成岩から抽出できる玄武岩繊維と火成岩で栽培できる植物を加工したバイオプラスチック混合物。3Dプリントされたバイオポリマー玄武岩複合材は、コンクリートと比較して50%強力であることがNASAの実験によって検証されている。導電率が低く、放射線を遮断するため、太陽や宇宙線からクルーを守ることができる。

快適な居住環境

Marshaは4階建ての二重構造。低層階には実験に関する環境が整備されており、上の階はキッチンや浴室、寝室などの居住空間になっている。 快適な環境を提供することで、クルーの健康維持とパフォーマンスの向上が期待される。

相性のいい産業分野

住宅・不動産・建築

無人の3Dプリントによる建築期間の短縮と工数の削減

環境・エネルギー

建築現場における二酸化炭素排出量の削減

ロボティクス

人が立ち入ることが困難な被災地でのロボットによる住居建築

航空・宇宙

個人でも気軽に火星に別荘がつくれる「マーズ・ヴィラ」

アート・エンターテインメント

未来の火星住宅街を表現したテーマパークや地域活性化プロジェクト

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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