No.351
2021.07.09
廃棄衣類が原料の繊維リサイクルボード
PANECO®
概要
PANECO®(パネコ)とは、廃棄衣料品に含まれるさまざまな繊維を原料にすることができるサスティナブルな循環型繊維リサイクルボード。使用する繊維によって色や風合いが異なるのが特徴で、木材に近い強度と加工性を持ち、使用後は新たなボードとして再生が可能。循環型生産モデルを実現する素材として、家具をはじめ、さまざまな空間の内装やディスプレイ什器に使用できる。ファッションロスによる環境負荷を削減し、循環型社会に貢献することが期待されている。
実現事例 実現プロジェクト
Ugly wardrobe / design by h220430
PANECO®をテーマに制作されたアップサイクル(元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すこと)家具。原料には、焼却処分される予定だった約500着の衣料の余剰品を使用。それらを特殊な機械でプレスし、強度と美しさを兼ね揃えた素材へと昇華させることで制作されている。アップサイクルという現代の重要課題を意匠的に強調させた形で生活に取り込むことで、社会が抱える廃棄衣料問題についてより身近に感じてもらうことを目的としている。
なぜできるのか?
加工しやすい新ファイバーボード
PANECO®は原料の90%に廃繊維を使用したボードで、素材の質感が強く表現された仕上がりになる。着色は一切しておらず、元の廃棄衣類の色が直接反映されるため一枚一枚の表情が異なる。大理石のような見た目でありながら、木材のような強度と加工性を持つ。店舗・商業施設・オフィス・工場・イベントなどのさまざまな空間の内装や、ディスプレイ什器・家具として使用できる。
使用後のPANECO®も再利用可能
布だけではなく、皮革など廃棄衣料品に含まれるさまざまな繊維を原料にすることができる。また、使用後のPANECO®を回収し再びボードとしてリサイクルすることも可能。
ファッションロスへの取り組み
現在日本国内だけでも年間約120万トン、およそ15億着もの衣料が廃棄されており、そのリサイクル率は10%以下といわれている。90%以上は埋め立てや焼却によって廃棄処分され、大量の温室効果ガス排出の一因となっている。廃棄処分となる運命にあった衣料を目的に合わせて生まれ変わらせるPANECO®は、ファッションロスへの新たなアプローチとなることが期待されている。
衣類由来の手触りのいい質感
回収した廃棄衣料を工場にて粉砕・プレスして製造されるPANECO®は、素材感あふれるマットで上質な手触りが特徴。PANECO®の繊維や粒子の折り重なる不均一な質感はそれぞれ表情の異なる個性を生み出し、プロダクトや生活空間にも馴染みやすい。
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
廃棄処分となる予定だった衣類を内装の素材や家具など新たなプロダクトに再利用
- 環境・エネルギー
従来の木材素材を廃棄衣類に代替することによる森林破壊の低減
- 教育・人材
学校を卒業する際に思い出の制服をグッズ化できるプロダクトサービス
- アート・エンターテインメント
ハイブランドや好みの古着屋など、元の衣類のブランドから選ぶインテリアショップ
- 生活・文化
故人が生前気に入っていた衣料で作る「形見で偲ぶ供養台」
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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