樹木を“超穏和”に溶解して再構成する技術
ウッドケミカルズ

概要
「ウッドケミカルズ」とは、さまざまな種類・状態の木材を余すことなく“超穏和”に溶解できる技術。環境やエネルギー的な負荷をかけず、あらゆる樹木を溶かすことができ、紙状、糸状、その他成形物など、あらゆるマテリアルの形に”再構成”することができる。木材を従来よりも画期的に汎用化・高付加価値化することで、日本の地域里山、ひいては農林水産業の収益構造を変え、地域社会や地球環境に貢献することが期待されている。
なにがすごいのか?
従来は困難とされていた樹木を”超穏和に溶解”する技術
有機酸と攪拌するのみの簡易な工程
エネルギー的な負荷が非常に少ない
なぜ生まれたのか?
日本の森林資源は、戦後の高度経済成長期に植林されて以降、順調な生育により豊富な蓄積量を誇っている。しかし、安価な輸入材に押されてきた結果、国内の森林伐採は減少し日本の林業は衰退の一途を辿っている。一方で、手入れの不徹底により土砂災害なども招いており、国内の森林資源の積極活用は喫緊の課題である。ダイセルは100年前から樹木由来のプラスチックであるセルロイドや酢酸セルロースを一貫して製造してきた化学メーカーであり、森林資源の有効利用と高付加価値化を図る社会的使命があると考えている。そこで、京都大学バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門/生存圏研究所 バイオマス変換分野の渡辺隆司教授が開発した”超穏和溶解”という新たな技術を武器に「ウッドケミカルズ」を開発し、地域社会や地球環境への貢献を目指している。
なぜできるのか?
樹木を超穏和に溶解
従来の代表的な木材の処理方法であるパルプ製造工程における木材処理は、製造時に高温かつ高圧で煮沸するため使用するエネルギーが大きい。一方で、ウッドケミカルズにおける木材処理は溶解時に常温・常圧に近い条件で撹拌するため、使用するエネルギーが小さく超温穏和な溶解方法となっている。
紙や布など別資源への再構成
木の溶解液を薄膜状に加工した「ウッドペーパー」や、溶解液を乾式·湿式で紡糸した「ウッドファイバー」、溶解液を固めて成型した「ウッドモールド」など、溶かした樹木を原料としてあらゆる資源に転換することができる。
簡易で環境負荷の少ない生産工程
樹木を余すことなく丸ごと活用するため、廃棄物がゼロに近く有機溶媒等の使用もないため、環境負荷が少ない。多段階に及ぶ複雑な製造工程はなく、単純に木材を撹拌するだけなため、低エネルギーでありながらも工程が非常に簡易である。
妄想プロジェクト
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
木材をまるごと溶解した紙(ウッドペーパー)や糸(ウッドファイバー)による、生活用品やアパレルに応用可能な紡糸・紡織・紡膜
- 環境・エネルギー
木材をまるごと溶解してモールドによる、石油系プラスチックの代替
- 官公庁・自治体
国土の特性を生かした森林再生や地域振興で、地域・⾥⼭単位の産業創造
- IT・通信
全国の地域・⾥⼭を連結しビッグデータを共有して、多種多様な”ウッドケミカルズ”を提供
- 食品・飲料
ウッドケミカルズを資源とした、サステナブルなストローや紙皿、フォーク、ナイフなど
- アート・エンターテインメント
ステージから楽器、グッズ、食器までを地元の里山の木材からつくりあげた音楽フェス
- 生活・文化
「庭の思い出の一本松」や思い出の木工家具を溶かして復元・転換するサービス
- 旅行・観光
ウッドケミカルズで溶解した木材を原料にした、ウッディな木桶温泉風呂や入浴剤
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 お問い合わせは、株式会社ダイセルまでお願いいたします。






