No.439
2021.10.08
肌を刺激しない着る人に優しいパーカー
HOPE(ホープ) Ver1.0
概要
「HOPE(ホープ) Ver1.0」とは、肌を刺激する要素を見直すことで生まれた着る人に優しいパーカー。縫い目は外側に、首元のタグはなくプリントは肌に触れない場所にあるため、感覚過敏(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの諸感覚が過敏であるため日常生活に困難さを抱えている状態)の人を含め多くの人が心地良く着ることができる。従来、感覚過敏の人は着られる服が少なく、オシャレという視点で服を選ぶことは困難だった。一方、HOPE Ver1.0は肌に優しいだけでなく色やプリントをカスタマイズでき、自分の好みに合った服選びを楽しめる。将来的には、着心地の良いファッションアイテムとして多くの人に利用されることで、あまり知られていない感覚過敏への関心・理解にもつながることが期待されている。
なぜできるのか?
肌を刺激する要素の改善
縫い目を外側にすることで、感覚過敏の人が痛みを感じる要因であった服の内側の段差を軽減。また、首元のタグはなく、プリントも肌に触れない場所に移動させることで首元の不快感をなくしている。
縫い目を活かしたビジュアルデザイン
パイピング加工(布の端をテープ状でくるむ装飾方法)によって、外側に出ている縫い目をデザイン要素として活用。生地と同色のパイピングにすれば普通のパーカーに見えるが、別の色を選択することで色の組み合わせを楽しむこともできる。
毛羽立ちが少なく肌触りに優れた生地
HOPE(ホープ) Ver1.0の生地には、毛羽立ちが少なくなめらかでストレッチ性のある素材を使用(レーヨン63%、ナイロン32%、ポリウレタン5%)。また、縫製後に洗い加工を行うことで、縮みにくく、より柔らかい生地にしている。
長く服を利用するためのアフターサービス
買った服を長く使っていけるようなアフターサービスを展開。着用していく中でパイピングが毛羽立ったり摩耗した場合や、新たに別の色で楽しみたい場合に新しいパイピング加工をするお直し制度サービス、さらには着なくなった商品をフリマサイトなどで販売する際には、販売元のKANKAKU FACTORYと連携し公式サイトで紹介できる制度を予定している。
相性のいい産業分野
- 製造業・メーカー
感覚過敏の人でも心地よく身につけられるファッションアイテム
- 生活・文化
肌が弱い子どもでも着られるベビー服、学生服や体操服
- 医療・福祉
傷病者に向けた患部を擦らない優しい医療用ウェア
- メディア・コミュニケーション
心地よい服づくり活動を通じて感覚過敏を身近なものに周知
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社クリスタルロード