No.440

2021.10.08

振動で発電するプロペラのない風力発電機

Vortex Bladeless(ボルテックス・ブレードレス)

Vortex Bladeless

概要

「Vortex Bladeless(ボルテックス・ブレードレス)」とは、プロペラがなく振動を電気に変換するスティック型風力発電機である。円柱状の柱が風を受けて振動することで電気が生まれる。シンプルで軽い設計でかつ強度も保たれており、可動部品が接触しない構造となっており損傷が起きづらいため長期間の稼働が可能。プロペラもないため、騒音や生き物との衝突など従来の風力発電における問題も解消でき、農地や市街などあらゆる場所での利用が期待される。

なぜ生まれたのか?

Vortex Bladelessを生み出すきっかけとなったのは、1940年に崩壊したアメリカ・タコマナロー橋の検証ビデオである。風が起こした渦によって橋が共振し崩壊する様子を記録した映像から、渦の力でエネルギーを生成する装置が発想された。

なぜできるのか?

プロペラが不要な、振動を利用した発電

円柱状の柱が風を受けて振動することで、リニアオルタネーター(発電機)のシステムが作動して電気が生まれる。地面に固定するマスト(垂直棒)に発電機を搭載し、その上に半硬質繊維ガラス製の中空構造の軽量シリンダーを載せた構造となっている。騒音は20Hz未満とほとんどなく、悪天候の際にゴミが引っかかったり鳥やコウモリが激突して死亡したりするなどの問題も解消できる。

シンプルで軽い設計

15キログラムと軽く、原材料費も削減できるため安価。日本円で約25,000円での販売(2021年10月時点)を予定している。風力発電機中で最も高価な部品であるナセルやブレードも必要とせず、製造コストはこれまでの風力発電機の約53%と概算される。また、軽さと強度を保つために炭素繊維とガラス強化繊維(FRP)素材を使用。

可動部品が接触しない構造

筒内に設置された磁石が反発しあい、可動部品が接触しないため、摩耗や摩擦による損傷がほとんど起きず、メンテナンスコストの低下を実現。設備の稼働寿命は32〜96年とされている。

相性のいい産業分野

住宅・不動産・建築

場所を取らず静音なため、これまでは設置できなかった市街地などでの活用

環境・エネルギー

コストやスペースなどを削減することによる風力発電の普及

流通・モビリティ

船や飛行機などに取り付けて海や空の上で発電

生活・文化

車の侵入を防ぐボラード(杭)として公園に設置して同時に発電

農業・林業・水産業

平地の少ない島や村で省スペースでの発電を実現し産業に転換

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : ©Vortex Bladeless Ltd.

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