No.459

2021.10.26

ブロック建造物を耐震補強するコーティング技術

Power Coating

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概要

「Power Coating」とは、 樹脂に特殊な繊維を混ぜた塗料で、外壁に塗るだけで組積造(石やレンガ、コンクリートブロック等を積み上げて作る建築物の構造)の建物の耐震補強ができる技術である。建物のどの部分にどの位の補強が必要か補強設計を行い、負荷のかかる部分に塗布して建物の耐震性を高める。塗るだけで耐震補強が可能なため、特別な技術を必要としない。低コストで地球に優しい素材であり、将来、途上国において、組積造の建造物での地震犠牲者が貧富を問わずゼロとなるために必要な技術として活用されることが期待される。

なぜできるのか?

構造計算による補強設計での塗布

外壁への塗布による耐震補強にあたって、まず構造計算により建物の耐震性能を評価し、不足している耐震性能を明らかにする。建物のどの部分にどの位の補強が必要か考慮して補強設計を行った上で、耐震補強したい部分に「Power Coating」を塗布する。塗るだけで補強され、負荷のかかる部分に塗布し補強することで、地震に強い強固な構造にできる。

樹脂に特殊な繊維を混ぜた塗料

この高強度樹脂は、樹脂に特殊な繊維を混ぜた塗料であり、建物の外壁に1ミリ弱の厚さに塗って乾燥させるだけで建物の耐震性を高める。繊維含有量と塗布厚を変えることで、用途やニーズに合わせて引張強度や特性を調整でき、塗布する箇所の強度を調整できる。また、アクリルシリコン系樹脂を基材にしているため、環境に優しい。

簡易な利用方法と低コスト

「Power Coating」は、塗るだけで強固になるため、特別な技術や施工機材がなくても利用できる。また新築やリフォームに対しても対応可能。さらに一般的な高強度樹脂に比べても耐震性は高く、コストはその10分の1から20分の1を実現している。

相性のいい産業分野

住宅・不動産・建築

デザインや景観を損なわずに低コストで耐震補強を実施

アート・エンターテインメント

屋外に展示している芸術作品が長持ちするようにコーティング

旅行・観光

観光地の歴史的建築物を次世代に保存できるように活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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