No.488
2021.11.10
超音波を利用した男性用避妊デバイス
COSO (コソ)
概要
「COSO(コソ)」とは、男性の睾丸を超音波で加熱して男性側の避妊を可能にするデバイスである。加熱することで一時的に無精子状態にできる仕組みで、連動しているアプリによって加熱する時間の確認もできる。男性側の避妊法はコンドームの装着とパイプカットというほぼ二択しかないのが現状だが、このデバイスが実用化すれば男性の避妊方法の新たな選択肢となることが期待される。
なぜ生まれたのか?
COSOが生まれたのは、考案者であるデザイナーのレベッカ・ヴァイス氏自身が子宮頸がんを患ったことでホルモン剤である避妊用ピルを服用できなくなったことがきっかけ。ヴァイス氏は、男性用の避妊法はコンドームの装着か精管切除の2つに絞られることに注目し、非侵襲的で痛みや副作用のない避妊法として超音波を利用する避妊法に着眼した。
なぜできるのか?
超音波による精子形成の阻止
超音波で発生させた精巣組織の深部熱によって既存の精子の動きを変化させ、新しい精子の形成を一時的に阻止することで受精を防ぐ。現在、ラットを用いた実験では睾丸に超音波を当ててから数カ月~1年間は無精子状態が維持されたと報告されており、今後人での使用に向けて更なる研究が期待される。
手軽な使用方法と優れたデザイン
連動しているアプリによって、超音波による加熱の残り時間を伝える。シンプルかつ優れたUX・デザイン設計により、次世代のデザインエンジニアを支援するジェームズ・ダイソン賞を受賞している。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Rebecca Weiss Design